著者の所属・活動拠点の国は、ウクライナです。

掲載誌:Вісник соціальної гігієни та організації охорони здоров я України

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

研究チームは、若者が歯科治療を受けるだけの立場から、自分の歯や口の健康を主体的に管理する立場へ移るために、何が必要かを検討しました。日々の手入れや生活習慣、受診を妨げる考え方を調べ、健康管理を経済的な負担の軽減や社会生活での自信につなげるモデルを提案することが目的です。

何を、どのように調べたか

対象は18~21歳の学生48人です。研究チームは、オンラインフォームを使った匿名のアンケートを一時点で実施しました。歯の手入れ、電子たばこや加熱式たばこの使用、食生活、歯科受診を妨げる要因、歯の状態と対人場面での自信との関係などを尋ねました。

回答を割合で集計し、歯科医師への信頼と歯間清掃の実践との隔たりや、生活習慣上のリスクを分析しました。その結果を基に、自分で状態を確認し、問題が深刻になる前に受診するための健康管理モデルを組み立てました。

主な報告結果

歯科医師を専門知識の主要な情報源とした回答者は83.0%でしたが、デンタルフロスや歯間ブラシを使っていたのは39.0%でした。一方、1日に2回歯を磨くと答えた人は78.0%でした。著者らは、専門家を信頼していても歯間の手入れまで実践できていない状態を「衛生行動の惰性」と呼び、歯磨きの回数だけでなく、手入れの内容にも目を向ける必要があると述べています。

定期検診を受けない理由では、問題がないと思っていることを挙げた人が57.0%でした。費用と時間を理由に挙げた人は、それぞれ17.0%でした。研究チームは、本人が問題を感じていないために受診しないという「歯の健康に問題はないという思い込み」を、重要な障壁と位置づけました。

生活習慣では、食事のリズムの乱れが48.0%、甘い飲料やエナジードリンクの定期的な摂取が43.0%、電子たばこや加熱式たばこの使用が39.0%と報告されました。また、61.0%は歯の状態が人と話すときの自信に関わると回答しました。著者らは、歯の健康には対人関係を支える側面もあると捉えています。

この報告が示すこと

著者らは、知識を伝えるだけでなく、若者自身が日々の手入れを確認し、受診の必要性を判断する力を育てることが重要だと結論づけています。その仕組みとして、自己確認用のチェックリスト、定期検診の案内やリマインダー、個別の予防計画を組み合わせたモデルを提案しました。

この報告が示すのは、予防を単なる出費ではなく、自分の健康や生活を守るための取り組みとして位置づける考え方です。アンケートで把握した意識と行動を、そのような主体的な健康管理につなげることが、研究チームの提案の中心です。

原著論文の著者・所属:А. І. СВОРАК(Тернопільський національний медичний університет імені І. Я. Горбачевського МОЗ України)、Л. В. ТРУЩЕНКОВА(Тернопільський національний медичний університет імені І. Я. Горбачевського МОЗ України)、В. Л. СМІРНОВА(Тернопільський національний медичний університет імені І. Я. Горбачевського МОЗ України)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):А. І. СВОРАК, Л. В. ТРУЩЕНКОВА, В. Л. СМІРНОВА. ФОРМУВАННЯ СУБ’ЄКТНОСТІ МОЛОДОЇ ЛЮДИНИ ЯК МЕНЕДЖЕРА ВЛАСНОГО СТОМАТОЛОГІЧНОГО ЗДОРОВ’Я В КОНТЕКСТІ ГРОМАДСЬКОГО ЗДОРОВ’Я. Вісник соціальної гігієни та організації охорони здоров я України(出版社:Ternopil State Medical University) 2026-11-06. DOI: 10.11603/1681-2786.2026.3.16560. 原著ライセンス:CC BY.