この研究は、ブラジルの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Acta Scientiarum Animal Sciences

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

魚介類をめぐる情報の伝え方を調べる

研究チームは、ブラジル南部のリオグランデドスル州で、新聞が魚介類の消費や健康についてどのように伝えてきたかを調べました。魚介類が健康的な食品として認識される一方、同州では消費量が少ないという背景があり、読者の食の選択に関わる情報が新聞でどう扱われているかに着目しました。

対象は、同州の主要紙「Zero Hora」の2013~2023年の紙面記事です。研究チームは「魚」「魚の消費」「魚肉」「魚介類」に相当する語で検索し、得られた11,757件から研究の主題に合う254件を選びました。その内容を、購入や食べ方などの「消費」、利点やリスクなどの「健康」、日本料理の広がりに関わる「寿司」を中心に分類し、掲載時期や頻出する言葉を分析しました。

目立ったのは消費の情報、寿司、復活祭の時期

著者らは、検索で得られた記事の総数が減少する一方、研究対象となる記事の割合は高まったと報告しています。その割合は2013~2017年の4.07%から、2018~2023年には6.36%となりました。著者らは、魚介類の消費に関する話題が読者にとって引き続き重要であることを示す結果と解釈しています。

内容では、消費に関する記事が中心で、価格、漁業や養殖業の生産状況、購入する魚種の提案など、実際の買い物に関わる情報が目立ちました。報道は特に3~4月に集中しており、著者らは、魚介類を食べる習慣が強まる聖週間や復活祭との関係を指摘しています。夏休みに当たる1月にも報道の山があり、沿岸地域での魚介類の消費との関連を示唆しています。

分析した記事で最も頻繁に現れた言葉は「寿司」でした。著者らはこれを、日本料理の文化的・商業的な広がりを反映するものと捉えています。健康に関する記事は消費に関する記事より少なかったものの、2022~2023年には増加がみられ、論文は新型コロナウイルスの流行後に魚介類と健康を結び付ける報道が再び目立ったとまとめています。

報道に映る食文化と買い物への関心

著者らは、こうした報道の傾向を、健康的な食事への関心や、養殖の拡大による魚介類の供給の充実と関連付けて考察しています。ただし、これらは結果を説明するための解釈であり、この研究は新聞を読んだ人の購買や消費の変化を直接測定したものではありません。

研究から見えてくるのは、魚介類が栄養だけでなく、価格、料理の流行、宗教行事や季節と結び付けて伝えられているということです。新聞での扱われ方には、地域の食文化と、読者が魚介類を選ぶ際の身近な関心が表れています。

著者:E.C. Silva(Federal University of Rio Grande do Sul)、Gabriela das Neves Feijó Guimarães(Universidade Federal do Rio Grande do Sul)、Nathalia dos Santos Teixeira(Universidade Federal do Rio Grande do Sul)、Rômulo Batista Rodrígues(Universidade Federal de Santa Maria)、Danilo Pedro Streit(Universidade Federal do Rio Grande do Sul)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):E.C. Silva, Gabriela das Neves Feijó Guimarães, Nathalia dos Santos Teixeira, et al. The role of journalism in promoting fish consumption: a study in southern Brazil. Acta Scientiarum Animal Sciences 2026-09-08. DOI: 10.4025/actascianimsci.v48i1.75864. 原著ライセンス:CC BY.