この研究は、イエメンの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Yemeni Journal For Medical Sciences
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
調査の目的
朝食を抜く習慣は大学生に広く見られると指摘されてきましたが、著者らは、イエメン・アデンの学生を対象とした記録が限られている点に着目しました。そこで、科学技術大学(アデン)の医学・保健科学系の学部生を対象に、朝食を抜いている学生がどれくらいいるのか、またそれがどのような要因と関連しているのかを明らかにすることを目的として調査を行いました。
論文では「朝食欠食」を、水以外の食べ物を一切とらないことと定義しています。大学生は自宅を離れて自分で食事を選ぶようになる時期にあたり、食習慣が長期的な健康に影響しうる段階だと著者らは位置づけています。
どのように調べたか
調査は、2025〜2026年度に在籍する医学・保健科学系の学部生を対象とした、一時点での状況を把握する横断的な調査として実施されました。対象となる学生集団2,600人から標本数を算出し、手の届く範囲で協力を得られる学生に依頼する便宜的な方法で170人が参加しています。18〜25歳で、少なくとも1学期以上在籍している全日制の学部生を対象とし、休学中の学生や妊娠中の学生などは除外されました。
データは、著者らが作成し4人の栄養士の専門家が確認・修正した自記式の質問票で集められました。質問票は、朝食を抜く習慣と回答者の属性を尋ねる内容です。集計には記述統計を用い、朝食欠食と各項目との関連はカイ二乗検定やフィッシャーの正確検定で調べ、p値が0.05未満を統計的に意味のある差としています。研究倫理委員会の承認を得たうえで、参加者には目的を説明し、同意を得て実施されました。
報告された主な結果
著者らの報告によると、参加した170人のうち124人(72.9%)が朝食を抜いていると回答し、抜いていないと答えたのは46人(27.1%)でした。頻度別では、週1〜2回が26.5%で最も多く、週3〜4回が20.6%、週5〜6回が14.1%、毎日が11.8%でした。
睡眠時間については、5〜6時間が42.9%で最も多く、5時間未満が21.8%でした。推奨される6〜7時間眠っていたのは30.0%にとどまり、合わせて64.7%が6時間未満の睡眠だったと報告されています。朝食の重要性をどう捉えているかを10段階で尋ねた結果では、中程度(4〜6)が47.6%、高い(7〜10)が33.5%、低い(1〜3)が18.8%でした。
関連の分析では、朝食の重要性の認識(p<0.001)と睡眠時間(p=0.008)に統計的に意味のある関連が見られました。重要性の認識が低い群では90.6%が朝食を抜いていたのに対し、高い群では49.1%でした。睡眠時間が5時間未満の群では86.5%、5〜6時間では72.6%、6〜7時間では58.8%が朝食を抜いていました。なお7時間超の群は9人と少数ですが、全員が朝食を抜いていたと報告されています。一方、性別(p=0.772)、学年(p=0.081)、所属プログラム(p=0.583)とは、統計的に意味のある関連は認められませんでした。
この報告が示すこと
著者らは、この大学の医学・保健科学系の学生のおよそ4分の3が朝食を抜いており、その習慣は性別や学年、専攻といった属性よりも、睡眠時間の短さや朝食を重要だと考える度合いの低さと結びついていたと結論づけています。ここで示されているのは関連であり、どちらが原因でどちらが結果かを特定したものではありません。
栄養や健康に関わる分野を学ぶ学生の間でも朝食欠食が広く見られたという報告は、知識の有無だけで食習慣が決まるわけではないことをうかがわせます。著者らは、栄養への理解と健やかな睡眠習慣を後押しする学内での取り組みの必要性を指摘しています。
著者:Al-Anood Waleed Mohammed Al-Taheri(Department of Health Sciences, Faculty of Medicine and Health Sciences, University of Science and Technology, Aden, Yemen)、Hafsa Abdalmalik Mohammed Albashir(Department of Health Sciences, Faculty of Medicine and Health Sciences, University of Science and Technology, Aden, Yemen,Department of Health Sciences, Faculty of Medicine and Health Sciences, University of Science and Technology, Hadhramaut Branch, Yemen)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Al-Anood Waleed Mohammed Al-Taheri, Hafsa Abdalmalik Mohammed Albashir. Prevalence of Breakfast Skipping and Factors Associated with it Among Medical and Health Sciences Students in University of Science and Technology, Aden, Yemen. Yemeni Journal For Medical Sciences 2026-09-06. DOI: 10.20428/yjms.v20i5.4115. 原著ライセンス:CC BY.