著者の所属・活動拠点の国は、ナイジェリアです。

掲載誌:Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research)

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

魚は加工によって成分の割合、栄養の濃さ、保存のしやすさが変わります。しかし著者らによると、ナイジェリア・オグン州イレセで売られている魚製品については、地元で得られたデータが限られていました。

そこで研究チームは、生の魚、ゆでた魚、ゆでてから揚げた魚の三つの状態で「一般成分」を比べました。一般成分とは、食品の基本的な構成を示す水分、たんぱく質、脂質、灰分のことです。灰分は、食品を高温で燃やした後に残る無機物の量を指します。

調べた魚と分析方法

対象は市場で入手した12試料で、ヘイク(現地名パンラ、メルルーサ属)、アフリカナマズ、サバ(タイセイヨウサバ)、ニベの仲間の4種です。それぞれの種について、生、ゆで、ゆでてから揚げた状態の三つを用意しました。

分析は食品分析の標準的な手順に従いました。水分は105℃で乾燥させて減った重さから、たんぱく質はケルダール法と呼ばれる窒素の測定法で、脂質は石油エーテルを使った抽出で、灰分は550℃で燃やして求めました。結果は加工状態ごとに平均値と標準偏差でまとめています。

主な結果

論文によると、生の魚は水分74.95%、たんぱく質18.35%、脂質3.50%、灰分1.20%でした。ゆでた魚は水分61.25%、たんぱく質23.50%、脂質4.85%、灰分2.30%でした。ゆでてから揚げた魚は水分16.00%、たんぱく質45.85%、脂質14.85%、灰分4.50%でした。いずれも、水分を含んだままの重さに対する割合です。

生の魚と比べると、ゆでることで水分は18.3%減り、ゆでてから揚げると78.7%減りました。ゆでてから揚げた魚では、同じく水分込みの重さで見た割合が、たんぱく質で149.9%、脂質で324.3%、灰分で275.0%増えていました。

著者らは探索的な統計検定(ウェルチ検定)も行いました。その結果、生とゆでてから揚げた魚の間では四つの成分すべてで明確な差が見られました。一方、生とゆでた魚の脂質には統計的に有意な差はありませんでした。

結果が示すこと

著者らは、たんぱく質と灰分の割合が見かけ上増えたのは、主に水分が抜けたためだと説明しています。成分が新たに増えたのではなく、水が減って割合が高まったという見方です。脂質の大きな増加については、水分の減少に加えて、揚げる際に油を吸収したことも反映していると述べています。

このことから論文は、ゆでるだけの加工のほうが、ゆでてから揚げる加工よりも脂質の少ない製品になると結論づけています。ただし試料数は少なく、著者ら自身も、市場全体について結論を出すには、加工時間・温度・油の条件をそろえ、反復を重ねた規模の大きい研究が必要だとしています。今回の報告は、地元で売られる魚が加工方法によって成分の割合を大きく変えることを、限られた試料から示したものといえます。

原著論文の著者・所属:Abiola, Ojure Mujitaba(Department of Food Science and Technology, Ogun State Polytechnic of Health and Allied Sciences, Ilese-Ijebu, Ogun State, Nigeria)、Adeola, Abdulrahman Fausat(Department of Food Science and Technology, Kaduna Polytechnic, Kaduna State)、Emmanuel, Alioha Chikaodinaka(Department of Food Science and Technology, Ogun State Polytechnic of Health and Allied Sciences, Ilese-Ijebu, Ogun State, Nigeria)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Abiola, Ojure Mujitaba, Adeola, Abdulrahman Fausat, Emmanuel, Alioha Chikaodinaka. EFFECTS OF BOILING AND FRYING ON THE PROXIMATE COMPOSITION OF FOUR FISH SPECIES SOLD IN ILESE, OGUN STATE, NIGERIA. Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) 2026-09-23. DOI: 10.5281/zenodo.22915011. 原著ライセンス:CC BY.