著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Teknologi Pangan dan Ilmu Pertanian

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的:捨てられがちな魚の骨を食品に

魚の加工では、頭や骨、うろこなどの副産物が多く出ます。著者らは、魚の重量の40〜60%ほどが加工の過程で残渣になり得るという既存の報告を紹介し、こうした副産物を価値ある食品に変える工夫が求められていると述べています。とくに魚の骨はカルシウムやリンなどのミネラルを多く含むため、粉にすれば食品素材として使える可能性があります。

研究チームが着目したのは、手軽に持ち運べて食べやすい「スナックバー」です。マグロの骨から作った粉(骨粉)に、インドネシアで身近な豆であるササゲ(現地名カチャン・トロ、ブラックアイドピーとも呼ばれる植物性たんぱく源)を組み合わせ、骨粉の作り方を確かめるとともに、どの配合が食べる人に最も好まれるかを調べることを目的としました。

何を調べたのか:3つの配合を30人が試食

マグロの骨は、洗浄、煮沸、乾燥、粉砕、ふるい分けという工程を経て粉にされました。この骨粉とササゲの比率を変えた3種類のスナックバーを作り、オーツ麦、はちみつ、シリアル、バニラ、ヤシ砂糖、マーガリンといった他の材料はすべて同じ量にそろえました。サンプルAは骨粉70%・ササゲ30%、サンプルCは50%ずつです。サンプルBの比率は、論文本文では骨粉30%・ササゲ70%、要旨では60%・40%と記載されています。

評価には、官能評価の基礎知識をもつ健康な30人のパネリストが参加しました。色、香り、味、食感、全体的な印象の5項目について、「非常に嫌い」から「非常に好き」までの7段階で好みを点数化する方法(ヘドニック尺度)で採点し、平均点と回答の割合を集計しています。

主な結果:骨粉を最も多く含むサンプルAが最も好まれた

論文によると、5項目すべてでサンプルAの平均点が最も高くなりました。たとえば味は7点満点で6.07、食感は5.83、全体的な印象は6.00で、いずれも他の2サンプル(およそ4.6〜5.0点)を上回っています。

回答の分布を見ても、サンプルAは全体的な印象で76.67%のパネリストが「好き」または「非常に好き」と答え、否定的な評価はありませんでした。一方、サンプルBとCは好意的な評価が約43%にとどまり、それぞれ13.33%の否定的な評価もありました。味については、サンプルAに対して60%が「好き」、26.67%が「非常に好き」と回答しています。

著者らは、骨粉の比率が高いサンプルAで骨粉特有の香りが受け入れられていた点に触れ、骨粉の配合では香りへの配慮が重要だと考察しています。また、サンプルAをもとに試算した製造原価は1本あたり2,453ルピアで、5本入りで20,000ルピアという販売価格の目安も示されました。

この研究が示すこと

この研究は、マグロの骨という水産副産物と地元の豆を組み合わせても、食べる人に好まれるスナックバーを作れることを、試食による好みの評価として示したものです。著者らは、骨粉70%・ササゲ30%の配合を今後の製品づくりの出発点になり得るものと位置づけています。

ただし、論文自身が述べているとおり、今回調べたのは味や香りなどの好みだけで、カルシウムをはじめとする栄養成分の量、保存性、微生物面の安全性は分析されていません。カルシウム源としての可能性は、骨にミネラルが多いという既存の知見に基づく位置づけであり、この製品にどれだけのカルシウムが含まれるかはまだ確かめられていない段階です。

著者:Dio Rendra Mahesa(Sekolah Tinggi Pariwisata Sahid Surakarta)、Darmaesti Darmaesti(Sekolah Tinggi Pariwisata Sahid Surakarta)、Salam Setiyawan(Sekolah Tinggi Pariwisata Sahid Surakarta)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Dio Rendra Mahesa, Darmaesti Darmaesti, Salam Setiyawan Pemanfaatan Tepung Tulang Ikan Tuna dengan Penambahan Kacang Tolo Sebagai Sumber Kalsium pada Pembuatan Snackbar. Jurnal Teknologi Pangan dan Ilmu Pertanian 2026-09-18. DOI: 10.59581/jtpip-widyakarya.v4i3.6806. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。