著者の所属・活動拠点の国は、南アフリカです。
掲載誌:Cogent Food & Agriculture
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
スペックボーム(学名Portulacaria afra)は多肉植物の一種です。環境面でも社会経済面でも受け入れられやすい植物とみなされていますが、食材としてはまだ十分に活用されていません。研究チームは、この植物が料理にどこまで使えるのか、また味わいや食感の異なるさまざまな食品で消費者に受け入れられるのかを調べました。
何を調べたか
評価の対象は、新たに試作した4品と、すでに市販されている4品です。試作品はレリッシュ(刻んだ野菜などで作る調味料)、ピクルス、レモンカード、サラダ用のふりかけ、市販品はプリザーブ(果物などの砂糖煮)、チャツネ、ピクルス、チキン用スパイスでした。
官能評価には「ジャスト・アバウト・ライト(JAR)分析」が使われました。外観、香り、味、口当たりといった特性ごとに「ちょうどよい」か「強すぎる・弱すぎる」かを尋ね、あわせて全体としての好ましさも評価してもらう方法です。「ちょうどよくない」と答えた人の好ましさがどれだけ下がったか(平均低下量)や、それを回答者の割合と組み合わせたペナルティ値をもとに、作り直しが必要な特性があるかを判断します。さらに著者らは消費者アンケートを行い、スペックボームを使った食品を試してみたいと思うか、利用を広げる要因は何かを調べました。
主な結果
論文によると、最も成功した使い方はレリッシュでした。外観、味、口当たりはいずれも「ちょうどよい」とする回答が75.0%を超えました。香りについては「ちょうどよくない」とした人の好ましさの平均低下量が0.73、ペナルティ値が0.68で、これ以上の作り直しは必要ないと判断されました。
市販のプリザーブでは、香り、味、口当たりについて「ちょうどよい」の回答が75.0%未満で、「強すぎる」との回答が20.0%を超えていました。それでも、これらの平均低下量は1.0未満でペナルティ値も許容範囲にあり、「改善が必要」と区分される特性はなかったと報告されています。
アンケートでは、消費者が新しいレシピや製品を試すことに前向きであることが示されました。利用を広げる主な要因としては、一般的な入手しやすさ(80.9%)と販売促進(58.3%)が挙げられました。
研究が示すこと
著者らは、スペックボームが塩味系の料理、酢を使った食品、甘い砂糖煮といった幅広い味の方向性に使えると結論づけています。あまり活用されてこなかった植物を身近な食品に取り入れる可能性と、そのためには手に入りやすさや周知が鍵になることを示した研究といえます。
原著論文の著者・所属:Faith Matiza Ruzengwe(ARC/DALRRD/UFS Chair: Innovative Agro-processing for Climate Smart Food Systems, Department of Sustainable Food Systems and Development, Faculty of Natural and Agricultural Sciences, University of the Free State, Bloemfontein, South Africa)、Ayanda B. Zulu(ARC/DALRRD/UFS Chair: Innovative Agro-processing for Climate Smart Food Systems, Department of Sustainable Food Systems and Development, Faculty of Natural and Agricultural Sciences, University of the Free State, Bloemfontein, South Africa)、Zamancwane P. Mahlanza(Department of Sustainable Food Systems and Development, Faculty of Natural and Agricultural Sciences, University of the Free State)、Rozanne MacDonald(Department of Sustainable Food Systems and Development, Faculty of Natural and Agricultural Sciences, University of the Free State)、Alba Du Toit(ARC/DALRRD/UFS Chair: Innovative Agro-processing for Climate Smart Food Systems, Department of Sustainable Food Systems and Development, Faculty of Natural and Agricultural Sciences, University of the Free State, Bloemfontein, South Africa)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Faith Matiza Ruzengwe, Ayanda B. Zulu, Zamancwane P. Mahlanza, et al. An assessment of the sensory attributes and the consumer acceptance of new experimental and commercial spekboom products. Cogent Food & Agriculture 2026-10-12. DOI: 10.1080/23311932.2026.2745090. 原著ライセンス:CC BY.