この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。

掲載誌:International Journal of Educational Review Law And Social Sciences (IJERLAS)

ライセンス: CC BY-SA 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF

研究の目的

子どもや若者にとって、体育の授業は体を動かす習慣や運動への意欲を育てる重要な場です。ただし、生徒が授業に積極的に参加するかどうかは、時間割やカリキュラムだけでなく、楽しさ、自分はできるという感覚、先生の支え、仲間との関係など、さまざまな条件に左右されます。

研究チームは、その条件のひとつとして食事に注目しました。卵・肉・牛乳などの動物性たんぱく質を含む食品は、成長や体づくりに関わる栄養源として知られています。一方で、こうした食品が、実際の学校現場で体育の授業への参加とどう結びついているのかを、生徒自身の受け止め方から調べた研究はあまりありません。そこで著者らは、サウジアラビアのマッカにあるインドネシア人学校の生徒を対象に、卵・肉・牛乳と体育への積極的な参加との関係を探りました。

何を調べたか

調査は、名前を書かない匿名の質問紙で行われました。生徒には、直近2週間を振り返って答えてもらいました。質問は、本人の基本的な情報(学年、年齢、課外のスポーツ活動など)、卵・肉・牛乳や乳製品を食べる頻度、体育の授業中に感じる元気さや疲れ、体の楽さ、そして授業への参加の様子という四つの部分で構成されていました。

食べる頻度は、ふだんの食事、朝食、体育のある日についてそれぞれ「まったく食べない」から「毎日」までの段階で尋ねました。授業中の感じ方や参加の様子は、「まったくそう思わない」から「とてもそう思う」までの5段階で答える形式です。参加については、準備運動と整理運動をきちんと行うか、練習やゲームに最後まで関わるか、新しい技術に挑戦しようとするか、チームワークやフェアプレーを大切にするかなどを尋ねました。研究チームは回答を、繰り返し現れる傾向(テーマ)として読み取り、原因と結果の関係までは推論しない方針をとりました。

回答したのは10人で、全員が男子、年齢はおよそ12〜19歳でした。多くがフットサルやサッカー、卓球などの課外スポーツに参加していました。

主な結果

著者らは、回答から四つのテーマを報告しています。一つ目は、生徒にとって「積極的な参加」とは、単に体を激しく動かすことではなく、準備運動から主な活動、整理運動まで授業の各段階にきちんと取り組むこと、練習やゲームで粘り強く頑張ること、そしてチームワークやフェアプレーといった仲間との関わりを含むものだったという点です。

二つ目は、卵・肉・牛乳や乳製品は、体育の日に合わせて意識的に食べる「作戦」としてではなく、朝食や家庭の食事など、日ごろの食習慣の一部として食べられていたという点です。三つ目は、授業に参加できる状態かどうかを、生徒は主に「元気があるか、疲れているか」「体が楽か」という体の感覚で受け止めていたという点です。疲れやすさ、ときどきのめまいやだるさ、筋肉痛を挙げる回答もありました。研究チームは、食事は参加に直接ではなく、その日の体の調子を通じて間接的に関わっている可能性があると解釈しています。

四つ目は、参加を妨げる要因は一つではなく、授業内容の負担や、先生や仲間がつくる授業の雰囲気など、栄養以外の影響も大きいと考えられるという点です。また、回答者の多くが課外スポーツに親しんでいたため、食事の違いによる影響が見えにくくなっていた可能性も指摘されています。

この研究が示すこと

この小規模な調査では、卵・肉・牛乳は体育への参加を直接決める要因としては語られませんでした。著者らは、食事は体の調子を通じて間接的に関わりうる一方、授業への実際の関わり方は、先生の支えや仲間との関係、授業のつくり方といった教育的・社会的な条件に強く左右されるとみています。

ただし、対象は男子生徒10人のみで、選択式の質問紙に基づく結果であるため、著者ら自身もこれを予備的で因果関係を示すものではないと位置づけています。体育への参加を考えるとき、何を食べるかだけでなく、体の調子と授業の環境をあわせて見ることが大切だという視点を示した研究といえます。

著者:Muhammad Askari Zakariah(Universitas Sains Islam Al Mawaddah Warrahmah Kolaka, Indonesia)、M. Arif Subair(Universitas Sains Islam Al Mawaddah Warrahmah Kolaka, Indonesia)、Novita(Universitas Sains Islam Al Mawaddah Warrahmah Kolaka, Indonesia)、Failal Ulfi Mauliah(Universitas Sains Islam Al Mawaddah Warrahmah Kolaka, Indonesia)、Ambo Dalle(Universitas Sains Islam Al Mawaddah Warrahmah Kolaka, Indonesia)、Aiedil Pebri Suwarna(Universitas Sains Islam Al Mawaddah Warrahmah Kolaka, Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Muhammad Askari Zakariah, M. Arif Subair, Novita, Failal Ulfi Mauliah, Ambo Dalle, Aiedil Pebri Suwarna Exploring How Animal-Protein Sources (Eggs, Meat and Milk) Relate to Students’ Active Participation in Physical Education at The Indonesian School in Makkah. International Journal of Educational Review Law And Social Sciences (IJERLAS) 2026-09-11. DOI: 10.54443/ijerlas.v6i3.5269. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。