著者の所属・活動拠点の国は、北マケドニア、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal Halal Center
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
ハラールとは、イスラム教の教えにおいて許されているものを指す言葉で、食品の場合は原材料や製造・取り扱いの方法がその基準に合っていることを意味します。こうした基準に沿っていることを示すハラール規制や認証は、世界の食品貿易で重要な要素になっています。
研究チームは、日本の食品産業がイスラム圏の国々へ輸出する場面に注目し、ハラール規制が日本の食品産業にどのような影響を与えているかを分析しました。抄録によると、日本は国内の政策を国際的なハラール基準とすり合わせるうえで課題を抱えているとされ、その実態を整理することが研究の出発点になっています。
何を調べたか
著者らは、数値データを集計する方法ではなく、質的な手法と文献レビュー(既存の資料や研究を集めて整理・検討する方法)を用いました。
調べた内容は大きく三つです。日本でハラール規制がどのように運用されているか、食品産業がどのような課題に直面しているか、そしてそれらの規制が輸出における競争力にどう影響しているか、という点です。
主な結果
論文は、日本の食品産業にとっての主な障壁として三つを挙げています。ハラール認証の仕組みが統一されていないこと、生産者がハラール基準を十分に理解していないこと、そして輸出先の国ごとに規制が異なることです。
一方で、対応の工夫によって機会は開かれているとも報告しています。具体的には、ハラール専用の製造ラインを導入すること、技術を活用してサプライチェーン(原材料の調達から製造・流通までの流れ)の透明性を高めること、国際的なハラール認証機関と連携することが、適応策として示されています。
さらに著者らは、ハラール食品の輸出を強化し、日本製品に対するイスラム教徒の消費者の信頼を高めるには、政策の調和、認証制度のデジタル化、日本政府による規制面での支援が必要だとしています。
研究が示すこと
この研究は、ハラール規制を輸出の妨げとしてだけでなく、イスラム圏の市場で日本の食品産業が競争力を高めるうえで欠かせない要素として位置づけています。認証制度のばらつきや理解不足といった課題を整理しつつ、それに向き合う道筋を示した点に、この論文の意味があるといえます。
著者:Bekim Maksuti(State University of Tetova)、Chomsah Rachmawati(Universitas Islam Negeri K.H. Abdurrahman Wahid Pekalongan)、Mashudi(Walisongo State Islamic University)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Bekim Maksuti, Chomsah Rachmawati, Mashudi The Impact of Halal Regulations on Japan’s Food Industry: A Case Study of Exports to Muslim Countries. Jurnal Halal Center 2026-09-22. DOI: 10.28918/jhc.v1i2.15011. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。