この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Indonesian Journal of Life Sciences

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

発酵飲料の粉末化を調べる

研究チームは、ブラックサポテという果物を使った発酵飲料を粉末にするとき、添加する素材の配合が粉末の性質や抗酸化活性にどう影響するかを調べました。この飲料は、茶の代わりに果汁を用いたコンブチャに似た飲料です。液体のままでは発酵が続き、品質が変化するため、研究では水分を減らす噴霧乾燥に着目しました。

噴霧乾燥は、液体を細かな霧にして熱風で乾かす方法です。研究チームは、乾燥時に成分を包み込んで保護する素材として、マルトデキストリンとアラビアガムを使いました。果汁を細菌と酵母の共生培養物で7日間発酵させた後、両素材を3対1、1対1、1対3の割合で加え、同じ条件で粉末化しました。得られた粉末について、水分量、水への溶けやすさ、流れやすさ、フェノール性成分の量、抗酸化活性などを比較しました。

溶けやすい一方、粉末の扱いやすさには課題

著者らによると、どの配合でも水への溶解率は約90%で、配合による有意な差はありませんでした。水に戻して24時間置いた試験でも、沈殿は観察されませんでした。

水分量は配合によって異なり、マルトデキストリンが多い3対1では2.90%、同量の1対1では3.70%、アラビアガムが多い1対3では5.19%でした。3対1は、粉末の流れにくさや粒子同士のくっつきやすさを示す指標も最も低い値でした。ただし、著者らはすべての試料について、流れやすさは低く、粒子同士がまとまりやすいと報告しています。回収できた粉末の量も、十分に効率的な乾燥工程とみなせる水準には達しなかったとしています。

同量の配合で抗酸化活性が最もよく残った

研究チームは、粉末に水を加えて乾燥前の水分状態に戻し、フェノール性成分と抗酸化活性がどれだけ残ったかを調べました。抗酸化活性は、試験用の物質であるDPPHのラジカルを打ち消す働きとして測定しました。

1対1の配合では、乾燥前の飲料に対するフェノール性成分の保持率が60.25%、抗酸化活性の保持率が88.50%で、いずれもほかの配合より有意に高い結果でした。抗酸化活性そのものも1対1で最も高かった一方、フェノール性成分の測定量には配合間で有意な差はありませんでした。

著者らは、今回比較した配合の中では1対1が総合的に良好だったとまとめています。ただし、成分の保持は完全ではなく、粉末の回収量にも課題が残りました。この研究は、成分を保つことと、扱いやすい粉末を得ることの両方に、保護素材の配合が関わることを示しています。

著者:Kenneth Francis Wibisono(i3L University, Jakarta, Indonesia)、Eleonora Muda(i3L University, Jakarta, Indonesia)、Desak Putu Ariska Pradnya Dewi(i3L University, Jakarta, Indonesia)、Leander Gunawan Rustani(i3L University, Jakarta, Indonesia)、Nadya Theodora(i3L University, Jakarta, Indonesia)、Antonia Caitlin Gondowardoyo(i3L University, Jakarta, Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Kenneth Francis Wibisono, Eleonora Muda, Desak Putu Ariska Pradnya Dewi, Leander Gunawan Rustani, Nadya Theodora, Antonia Caitlin Gondowardoyo Encapsulation Performance of Maltodextrin-Gum Arabic Blends in Preserving Antioxidants and Physical Quality of Black Sapote (Diospyros nigra) Kombucha Analog. Indonesian Journal of Life Sciences 2026-09-30. DOI: 10.54250/ijls.v8i02.274. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。