著者の所属・活動拠点の国は、マレーシアです。
掲載誌:The Open Agriculture Journal
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
研究チームは、ケイ酸を溶かす働きを持ち、乾燥にも耐える細菌が、水不足のもとでイネの生育や収量を改善できるかを調べました。こうした細菌が水ストレス下のイネに与える効果は、十分に分かっていませんでした。
何を、どのように調べたか
まず、分離した細菌10株について、ケイ酸を溶かす能力と乾燥への耐性を調べました。続いて温室でポット試験を行い、細菌の接種に関する4通りの処理と、水を張った条件・水不足条件を組み合わせ、それぞれ4反復でイネの生育や収量などを比較しました。水不足条件では、播種後35日から105日まで10日ごとに給水し、土壌が湿る状態と乾く状態を交互につくりました。
主な報告結果
室内試験では、Pseudomonas aeruginosaとEnterobacter sichuanensisの2株が、ケイ酸を溶かす能力と乾燥耐性で最も優れていました。ポット試験では、水不足条件でイネの葉の相対含水率が湛水条件より低下し、水ストレスが生じたことが確認されました。E. sichuanensisを接種した処理と2株を混合接種した処理では、草丈、相対含水率、根の長さ、葉の緑色の程度を示すSPAD値、ケイ素とリグニンの含有量が有意に増加しました。湛水条件と水不足条件の両方を通じた総穀粒収量は、対照処理に比べ、E. sichuanensisの接種で9.25%、混合接種で12.88%高くなったと報告されています。
この報告が示すこと
研究チームは、E. sichuanensisや混合接種を、水ストレスの影響を和らげる微生物肥料として利用できる可能性があると結論づけています。ただし、今回の栽培試験は温室内のポットで行われたものであり、著者らは、圃場での効果の検証と、微生物肥料としての製剤化条件の最適化が必要だとしています。
※本記事は原著論文の抄録だけで作成しています。
原著論文の著者・所属:Minh Hung Ho(/; Department of Crop Science , Faculty of Agriculture , Universiti Putra Malaysia , 43400 Serdang , Selangor , Malaysia)、Martini Mohammad Yusoff(Department of Crop Science , Faculty of Agriculture , Universiti Putra Malaysia , 43400 Serdang , Selangor , Malaysia)、Ali Kee Zuan Tan(UDRP -Regenerative Agriculture for Sustainable Crop Productivity ,)、Zulkarami Berahim(Institute of Tropical Agriculture and Food Security , Universiti Putra Malaysia , 43400 Serdang , Selangor , Malaysia)、Hawa ZE Jaafar(Institute of Tropical Agriculture and Food Security , Universiti Putra Malaysia , 43400 Serdang , Selangor , Malaysia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Minh Hung Ho, Martini Mohammad Yusoff, Ali Kee Zuan Tan, et al. Screening of Drought-Tolerant, Silicate-Solubilizing Bacteria and Their Efficacy in Enhancing the Growth and Yield of Rice under Water Stress. The Open Agriculture Journal(出版社:Bentham Science Publishers) 2026-11-04. DOI: 10.2174/01187433154785260824061647. 原著ライセンス:CC BY.