この研究は、インドの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Journal of Advances in Biology & Biotechnology

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

アワ(学名Setaria italica)は栄養が豊富で、気候の変化にも強い穀物とされ、栄養価の高い食品や付加価値のある加工食品の素材として期待されています。一方で、加工のしかたによって見た目や香り、味などの感覚的な品質や、食べる人にとっての好ましさが変わる可能性があります。

研究チームは、インド北東部メガラヤ州西ガロヒルズ地域の在来アワ品種を対象に、「浸漬(水に浸す)」「発酵」「焙煎(煎る)」という三つの加工法を条件を変えて行い、その感覚的な特徴と受け入れられやすさを評価することを目的としました。

何をどのように調べたか

研究は同州トゥラにある大学の食品科学・栄養学部門で行われました。試料は全部で19種類で、加工していない対照試料が1種類、加工試料が18種類です。加工試料の内訳は、浸漬・発酵・焙煎がそれぞれ6条件ずつでした。

評価には、ある程度の訓練を受けた評価者の集団(セミトレーニングパネル)が参加し、好ましさを9段階で採点する嗜好尺度を用いました。評価項目は、外観、色、香り・風味、食感、味、そして総合的な好ましさです。

得られた点数は統計的に分析され、加工条件の間に意味のある差があるかが調べられました。さらに、評価項目どうしがどのように関連しているかを見るため、相関分析と、多くの項目の傾向を少数の要素にまとめて捉える主成分分析も行われました。

主な結果

論文によると、外観、色、香り、食感、味、総合的な好ましさのいずれについても、加工条件の間で統計的に有意な差が見られました(p<0.001)。浸漬、発酵、焙煎の試料の間で受け入れられやすさに違いがあり、全体として焙煎した試料の点数が高い傾向でした。

すべての条件の中で最も総合的な好ましさが高かったのは、110℃で15分間焙煎した条件(FC6)で、9点満点中8.44±0.51点、受容性指数は93.78%と報告されています。

評価項目の関係では、香りが総合的な好ましさと最も強い正の相関(r=0.657)を示しました。これは両者がそろって高くなる傾向があったことを示すもので、香りを変えれば好ましさが高まるという因果関係を示すものではありません。また主成分分析では、最初の二つの成分で評価のばらつき全体の98.88%が説明されたと報告されています。

研究が示すこと

著者らは、浸漬・発酵・焙煎という加工がアワの感覚的な品質に影響すること、そして適切な加工条件には、受け入れられやすい付加価値食品の開発につながる可能性があると結論づけています。地域の在来アワについて、加工法や条件によって評価が変わり、今回の条件の中では焙煎、とくに110℃で15分の焙煎が最も高く評価されたことを示した研究といえます。

著者:Manisha Jhajhria(Department of Food Science and Nutrition, College of Community Science, Central Agricultural University, Tura-794005, Meghalaya, India)、Namita Singh(Department of Food Science and Nutrition, College of Community Science, Central Agricultural University, Tura-794005, Meghalaya, India)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Manisha Jhajhria, Namita Singh. Effect of Different Processing Conditions on Sensory Attributes and Acceptability of Local Foxtail Millet (Setaria italica L. P. Beauv.) Variety of West Garo Hills, Meghalaya. Journal of Advances in Biology & Biotechnology 2026-10-10. DOI: 10.9734/jabb/2026/v29i104536. 原著ライセンス:CC BY.