著者の所属・活動拠点の国は、タイです。
掲載誌:Heliyon
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
卵白を乾燥させて粉にしたものを「卵白粉」といいます。研究チームは、この卵白粉を低いコストで作る方法を開発することを目的に研究を行いました。
さらに、製法の異なる卵白粉を米粉で作る麺に加え、市販の卵白粉と比べています。この米粉麺は、小麦に含まれるたんぱく質「グルテン」を含まない、いわゆるグルテンフリー麺です。
比べた卵白粉と調べた内容
著者らは、卵白をゆでる工程を経て作った卵白粉と、噴霧乾燥で作った卵白粉の2種類を用意しました。噴霧乾燥とは、液体を霧状にして熱風で乾かし、粉にする方法です。この2種類を市販の卵白粉と比較しました。
まず、粉そのものについて、たんぱく質の量と色を調べました。次に、3種類の卵白粉を、3%と5%の置き換え割合で米粉麺に加えました。麺については、ゆでたときに成分がゆで汁へ溶け出す量(調理損失)、硬さや弾力などの食感、消費者による官能評価を比べています。官能評価とは、人が実際に食べて味や見た目などを評価する方法です。
主な結果
3種類の卵白粉の間で、たんぱく質の量に統計的に意味のある差はみられませんでした。一方、ゆでて作った卵白粉は、ほかの2種類より色が暗く、赤みと黄みが強いという結果でした。著者らは、この色の違いを、製造中に糖とたんぱく質が反応して褐色になる「メイラード反応」によるものと説明しています。
麺に加えた場合、調理損失には、どの試料の間でも統計的に意味のある差はみられませんでした。食感の分析では、卵白粉の割合を増やすほど麺が硬くなりました。特に噴霧乾燥の卵白粉を5%加えた麺では、硬さ、弾力、かみごたえが統計的に意味のある程度に高まりました。市販の卵白粉を5%加えた麺の食感は、対照群の麺と似ていたと報告されています。
消費者による官能評価では、評価したどの項目でも、好ましさに統計的に意味のある差はみられませんでした。また保存試験では、市販の卵白粉を5%加えたグルテンフリーのインスタント麺が、6か月以上にわたり、品質の大きな低下なく保存できたと報告されています。
研究が示すこと
著者らは、ゆでて作る卵白粉を低コストの代替品と位置づけ、たんぱく質の量や食べたときの好ましさを同程度に保ちながら、グルテンフリー麺で市販の卵白粉の代わりになりうると結論づけています。色には違いが出るものの、費用を抑えた製法の卵白粉でも米粉麺の材料として使える可能性を示した研究です。
原著論文の著者・所属:Natcharee Jirukkakul(School of Applied Sciences, Faculty of Interdisciplinary Studies, Khon Kaen University, Nong Khai Campus, Nong Khai, 43000, Thailand)、Benjamas Russamee(School of Applied Sciences, Faculty of Interdisciplinary Studies, Khon Kaen University, Nong Khai Campus, Nong Khai, 43000, Thailand)、Panida Pachuenjai(School of Applied Sciences, Faculty of Interdisciplinary Studies, Khon Kaen University, Nong Khai Campus, Nong Khai, 43000, Thailand)、Somprasong Pariwat(School of Applied Sciences, Faculty of Interdisciplinary Studies, Khon Kaen University, Nong Khai Campus, Nong Khai, 43000, Thailand)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Natcharee Jirukkakul, Benjamas Russamee, Panida Pachuenjai, et al. Characterization of alternative egg white powder in gluten-free noodles. Heliyon 2026-09-25. DOI: 10.1016/j.heliyon.2026.e45506. 原著ライセンス:CC BY.