ウズラの飼育では、卵や肉を効率よく育てるためにタンパク質が豊富な飼料が欠かせません。これまで主なタンパク源として使われてきたのが大豆粕ですが、大豆の国際価格は変動しやすく、安定した調達が課題となることがあります。そこで注目されているのが、地域で得られる副産物を代わりに使えないかという発想です。今回紹介する研究では、カシューナッツを加工した際に出る「カシューナッツ粕」を大豆粕の代替タンパク源として飼料に混ぜ、食肉用ウズラ(コリンウズラ)の産卵成績や卵の質にどのような影響が出るかが調べられました。

研究でわかったこと

実験では、生後42日のウズラ270羽を30羽ずつ3グループに分け、それぞれ3反復で飼育されました。飼料は3種類用意され、大豆粕のみをタンパク源とする対照飼料(CD)、大豆粕の25%をカシューナッツ粕に置き換えた飼料(D25%)、そして50%を置き換えた飼料(D50%)が比較されています。試験期間は7週間でした。

産卵の開始時期は、CDとD25%のグループでは48日齢だったのに対し、D50%のグループではやや遅く50日齢でした。試験終了時点での産卵率は、CDが53%、D25%が55%、D50%が57.5%となり、これらの間に統計的に意味のある差は見られなかったと報告されています。

一方で、卵の重さについてはD50%のグループで有意に軽くなることが示されました。卵の形の指標(卵形指数)や卵白の質を示すハウユニットは、3グループともに良好な水準が保たれていたとされています。ただし卵殻の指標(卵殻指数)は、D50%(12.23±2.04%)がCD(14.33±1.45%)やD25%(13.20±2.13%)と比べて有意に低いという結果でした。

これらの結果から、著者らはカシューナッツ粕は大豆粕の代わりに50%まで置き換えても、産卵率や卵の全体的な品質を大きく損なうことはないものの、卵の重さと卵殻の指標にはマイナスの影響が及ぶ可能性があると述べています。

この研究の位置づけ・読むうえでの注意

この研究は、限られた期間・羽数の条件下で行われた一つの試験であり、結論が確定したものではない点に留意が必要です。また論文の著者ら自身も、これらの飼料を実際に導入する価値があるかどうかを判断するには、コストや収益性を含めた技術的・経済的な分析が別途必要だと述べています。産卵率や卵重、卵殻の指標といった限られた指標での評価であり、長期的な影響や他の飼育環境での再現性については、この要旨からは分かりません。

まとめ

本研究は、地域の副産物であるカシューナッツ粕が、食肉用ウズラの飼料において大豆粕の代替タンパク源となりうるかを検討したものです。産卵率などの基本的な成績には大きな違いが見られなかった一方、卵の重さや卵殻の指標には置き換え割合に応じた変化がみられました。今後、経済性も含めたさらなる検証が求められる段階にあると言えそうです。

※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:飼料へのカシューナッツ粕添加が食肉用ウズラ(コリンウズラ)の産卵成績と卵質に及ぼす影響(ジーエスシー・バイオロジカル・アンド・ファーマシューティカル・サイエンシズ・2026年08月)