著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Hasanuddin Journal of Public Health

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

超加工食品とは、食品から取り出した成分を主な原料とし、香料や着色料、乳化剤、甘味料などを加えて工業的に作られた製品を指します。包装された甘い飲料やスナック菓子、インスタント麺、ソーセージ、ナゲット、ビスケットや菓子類などがその例です。著者らは、こうした食品の摂取が思春期の若者の間で増えており、過体重や生活習慣病などの非感染性疾患のリスクと関連していると説明しています。

インドネシアでも、13〜15歳の過体重の割合が2018年の11.2%から2023年の12.1%へ上昇したことが紹介されています。ただし、若者の超加工食品の摂取に何が関わっているのかについては、性別や家庭の経済状況をめぐって先行研究の結果が一致していません。また、広告への接触、食行動、社会的な属性を一つの分析モデルで同時に検討したインドネシアの研究は限られていました。

そこで研究チームは、インドネシア中部ジャワ州の州都スマラン市の中学生を対象に、性別、親の収入、食品広告への接触、食行動の4つが超加工食品の摂取とどう関連するかを調べました。あわせて、これらのうち最も強く関連する要因を特定することも目的としました。

調べた方法

調査は2026年、市の中心部と周辺部にある3校の中学校で行われました。対象は1〜3年生の297人で、調査の目的に合う生徒を研究者が選ぶ方法(有意抽出)で集められています。ある一時点で複数の項目を同時に調べる横断研究という設計です。

超加工食品の摂取は、どの食品をどのくらいの頻度・量で食べているかを尋ねる半定量的食物摂取頻度調査票で測定し、得点の中央値を基準に「高い」「低い」に分けました。親の収入はスマラン市の最低賃金を基準に高低を区分しました。広告への接触は、テレビやYouTube、Instagram、TikTokなどのソーシャルメディアで食品・飲料の広告を見る頻度と時間から評価しました。食行動は、間食の習慣、食べたくなるきっかけ、特定の食べ物への強い欲求、ストレス下での食事などから評価し、「好ましい」「好ましくない」に分けています。

分析では、まず各要因と摂取の高低との関連を一つずつ確かめ、次にロジスティック回帰分析という手法で4つの要因を同時に組み込みました。これにより、ほかの要因の影響を考慮したうえで、それぞれの要因と摂取との関連の強さを評価しています。

主な結果

研究チームの基準で超加工食品の摂取が「高い」に分類された生徒は、全体の62.63%でした。

性別と親の収入には、摂取との統計的に意味のある関連は見られませんでした。摂取が高い生徒の割合は女子63.35%、男子61.76%とほぼ同じでした。親の収入が高い家庭では66.10%、低い家庭では60.34%と、収入の高い家庭でやや高かったものの、統計的に意味のある差ではありませんでした。

一方、広告への接触ははっきりした差を示しました。広告への接触が多い生徒では77.46%が高摂取に分類されたのに対し、接触が少ない生徒では41.94%にとどまりました。食行動でも同様で、好ましくない食行動の生徒では76.61%、好ましい食行動の生徒では43.65%が高摂取でした。

4つの要因を同時に考慮した分析でも、広告への接触と食行動は摂取と関連していました。広告への接触が多い生徒が高摂取に分類されるオッズ(起こりやすさを示す比の指標)は、接触が少ない生徒の4.40倍でした(95%信頼区間2.58〜7.49)。好ましくない食行動の生徒では、好ましい食行動の生徒の3.88倍でした(同2.28〜6.60)。著者らは、統計量の大きさから、広告への接触を最も強く関連する要因と位置づけています。

研究が示すこと

著者らは、性別や家庭の経済状況による差が見られなかった理由として、男女の生徒が同じ学校の売店や周辺の店、同じソーシャルメディアに接していることを挙げています。また、超加工食品は安く、少額で買える小さな包装でも売られているため、収入が摂取の大きな障壁になりにくいと考察しています。

この研究は一時点の調査であり、示されたのは要因と摂取との関連です。広告や食行動が摂取を引き起こしたという因果関係までを確かめたものではありません。それでも著者らは、広告への接触と食行動が中学生の超加工食品摂取の主な決定要因であると結論づけました。そのうえで、学校での栄養教育やメディアリテラシー教育と、子どもや若者に向けた食品マーケティングの規制強化を優先すべきだと提言しています。若者の食生活を考えるとき、家庭の属性だけでなく、日々触れる広告や食習慣に目を向ける必要があることを示す結果といえます。

原著論文の著者・所属:Sri Achadi Nugraheni(Faculty of Public Health, Universitas Diponegoro, Semarang, Indonesia)、Oktia Woro Kasmini Handayani(Faculty of Medicine, Universitas Negeri Semarang, Semarang, Indonesia)、Ida Leida Maria(Faculty of Public Health, Universitas Hasanuddin, Makassar, Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Sri Achadi Nugraheni, Oktia Woro Kasmini Handayani, Ida Leida Maria SOCIAL AND BEHAVIOURAL FACTORS ASSOCIATED WITH ULTRAPROCESSED FOOD CONSUMPTION AMONG ADOLESCENTS IN SEMARANG CITY. Hasanuddin Journal of Public Health 2026-10-21. DOI: 10.30597/hjph.v7i3.54717. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。