著者の所属・活動拠点の国は、フィリピンです。

掲載誌:Food Research

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

研究チームは、カジャリ(学名Gigantochloa atter)という竹のたけのこを粉にし、ミートローフの「増量材」として使えるかを調べました。増量材(エクステンダー)とは、肉製品で肉の一部を補ったり置き換えたりするために加える材料のことです。

著者らは、生活習慣に関わる病気への関心が高まるなかで、身近な植物由来の食品素材が求められていると述べています。たけのこは食物繊維などを含む食材として知られていますが、食べられている地域はおもに東アジアや東南アジアに限られています。そこで研究チームは、たけのこ粉を混ぜたミートローフが、見た目や味などの面で受け入れられるかに注目しました。

たけのこ粉とミートローフの作り方、評価の方法

たけのこ粉は、収穫したカジャリのたけのこから硬い皮や根元を取り除き、厚さ3〜4ミリほどに薄切りにして作られました。切ったたけのこは、苦みや水に溶ける成分を抜くために塩水に24時間浸け、一晩置いたあと、絞って水洗いしました。さらに天日で乾燥させ、製粉機で粉にしてから、60メッシュのふるいにかけて細かな粉に仕上げています。

ミートローフは、赤身肉と脂肪を70対30の割合で使う配合を基本としました。たけのこ粉は、増量材として15%、55%、100%の三つの置き換え水準で加えられ、たけのこ粉を使わない対照のミートローフも用意されました。生地は型に入れて75℃で55〜60分蒸し、冷ましてから小さく切り分けて試食に使われました。

評価は、食品の品質評価に慣れた10人のパネリストが行いました。色、香り、食感、味、総合的な好ましさの五つの項目について、最も好ましくない1点から最も好ましい7点までの7段階で、どれくらい好ましいかを採点する方法です。

主な結果

論文によると、どの項目でも平均点は6.00〜6.50の範囲に入り、著者らはこれを「とても好き」にあたる評価として報告しています。項目ごとの全体平均は、色と香りが6.125、食感が6.00、味と総合的な好ましさがそれぞれ6.50でした。

たけのこ粉を加えたミートローフと加えていないものの間で点数はほぼ同じで、味と総合的な好ましさは、すべての試料で6.50でした。研究チームは、統計的な分析で試料間に有意な差は認められなかったと報告しています。つまり、たけのこ粉の量を変えても、パネリストの評価には目立った違いが見られなかったということです。

著者らは、たけのこ粉の色が明るいことや、味のくせが比較的少ないことが、見た目や肉の風味を保つうえで役立った可能性があると考察しています。また、食感が保たれた理由として、食物繊維が水分を保つ働きを挙げています。

研究が示すこと

この研究は、カジャリ竹のたけのこ粉をミートローフに加えても、少人数の熟練パネリストによる試食評価では好ましさが損なわれなかったことを示しています。植物素材を肉製品に取り入れる一つの可能性を、味や見た目の受け入れやすさという面から確かめた報告といえます。なお、今回調べたのは官能評価であり、著者ら自身も、栄養成分や保存性、より多くの消費者による評価は今後確かめる必要があるとしています。

原著論文の著者・所属:E.B. Plaza(Department of General Teacher Training , North Eastern Mindanao State University-Cantilan Campus , Philippines)、G.A. Gruyal

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):E.B. Plaza, G.A. Gruyal. Formulation and sensory evaluation of Kajali (Gigantochloa atter) shoot flour as a meat loaf extender. Food Research 2026-10-02. DOI: 10.26656/fr.2017.10(5).134. 原著ライセンス:CC BY.