この研究は、アメリカの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Cereal Chemistry

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

目視による色の等級付けを数値で補う

パーボイルドライスは、籾を水に浸して加熱し、乾燥させてから精米する加工米です。研究チームによると、この加工によって精米の性能は向上しますが、米に好ましくない色が付きやすくなります。その色は、消費者の受け入れや市場での等級評価に影響します。

米国では、パーボイルドライスの色は米国農務省(USDA)の基準に基づき、人の目で見比べて等級が判定されています。研究チームは、この定性的な目視判定に代わる機器ベースの方法を検討しました。目的は、色を客観的に分類することと、精米がどの程度進んだか(搗精度)を予測することです。

8品種を5段階の精米時間で比較

研究では、現代の8つのイネ品種をパーボイル加工し、20秒から80秒までの5段階の時間で精米しました。精米は米の表面を削り取る工程で、時間が長いほど表面の層が多く除かれます。

それぞれの試料について、次の4つの値を測定しました。米粒の表面に残る脂質の量(表面脂質含量)、米粒に含まれる脂質の総量(総脂質含量)、色の明るさを表す指標(L*値)、白さを数値化した白度指数です。研究チームは、これらの測定値をUSDAのパーボイルドライス色基準と照らし合わせて評価しました。

主な結果:40秒の精米で全品種が明るい色の等級に

著者らの報告によると、すべての品種で、精米時間が長くなるほど表面脂質含量と総脂質含量は一貫して減少しました。一方で、明るさと白度指数は向上しました。

色の等級については、多くの品種が20秒の精米で「パーボイルド・ライト」と呼ばれる明るい色の等級に達しました。40秒の精米では、8品種すべてがこの等級に到達したと報告されています。

品種の中では「Aroma 22」が最も色素が取れにくい品種でした。この品種は40秒の精米で明るい色の等級へ移行しました。その時点の表面脂質含量は0.39%、白度指数は20.55、明るさの値は56.84でした。

さらに研究チームは、表面脂質含量から総脂質含量を推定する新しい換算式を、パーボイルドライス専用に作成しました。著者らは、この式によって、日常的に測定される表面脂質含量をもとに、近赤外分光法(NIR)を使って総脂質含量を素早く推定できるとしています。

研究が示すこと

著者らは、今回の結果を予備的な定量的目安と位置付けています。この目安は、機器で測った色の値と、現代の品種におけるUSDAのパーボイルドライス色等級とを結び付けるものです。研究は、現在の商業的な精米加工で使われている目視の等級基準を、機器による測定で補える可能性を示しています。

著者:Evans Ameyaw Owusu(Department of Food Science University of Arkansas, Division of Agriculture Fayetteville Arkansas USA)、Griffiths Gregory Atungulu(Department of Food Science University of Arkansas, Division of Agriculture Fayetteville Arkansas USA)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Evans Ameyaw Owusu, Griffiths Gregory Atungulu. Quantitative Standardization of Parboiled Rice Color for Industrial Appraisal. Cereal Chemistry 2026-10-08. DOI: 10.1002/cche.70119. 原著ライセンス:CC BY.