この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Journal of Chemical Natural Resources

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

シクラミン酸ナトリウム(チクロ)は、砂糖の約30倍の甘さがあり安価で、加熱にも強い人工甘味料です。食品添加物として使用は認められていますが、摂りすぎによる健康への悪影響が指摘されています。そのためインドネシアの国家医薬品食品監督庁(BPOM)は規則(2019年第11号)で上限を定めており、著者らによればコーヒー飲料での上限は1キログラムあたり350ミリグラムです。

研究チームが注目したのは、カートでコーヒーを売り歩く移動販売です。手頃な価格と手軽さから広がっており、クラテン県の中心部にあたるクラテン・トゥンガ地区でも多くのブランドが営業しています。研究チームは、こうした移動販売のコーヒーにシクラミン酸ナトリウムが使われていないか、使われている場合は量が基準内かを確かめることを目的としました。

何をどう調べたか

対象は、地区内で営業する異なる移動販売ブランドのブラウンシュガーコーヒー5検体(A〜E)です。

まず、シクラミン酸ナトリウムが含まれるかどうかを「沈殿試験」で調べました。試料に試薬を加えて加熱し、白い沈殿ができれば陽性と判定する方法です。

陽性だった検体については、紫外可視分光光度法で含有量を測りました。溶液がどれだけ光を吸収するかを測定し、濃度の分かっている標準液と比べて量を求める方法です。ブラウンシュガーコーヒーには色の濃い成分など測定を妨げる物質が多いため、研究チームは有機溶媒を使ってシクラミン酸ナトリウムを分離してから測定しました。測定は3回繰り返して行いました。

主な結果

沈殿試験では、5検体のうち検体Bだけに白い沈殿ができ、陽性と判定されました。残る4検体には沈殿が見られず、著者らはシクラミン酸ナトリウムは含まれていないと判断しています。

検体Bの含有量は平均で1キログラムあたり448.08ミリグラムでした。BPOMが定める上限の350ミリグラムを上回る値です。3回の測定値のばらつきは小さく(相対標準偏差0.3221%)、著者らは測定の再現性は良好だったと報告しています。

一方で論文は、測定値が真の値にどれだけ近いかを示す正確さ(回収率)や、検出・定量できる最小量は今回確認していないと明記しています。

この研究が示すこと

調べた移動販売コーヒー5検体のうち1検体で、規制上限を超えるシクラミン酸ナトリウムが報告されました。身近で手軽に買える飲み物でも、人工甘味料が基準を超えて使われている場合があることを示す結果であり、著者らはこうした飲料の甘味料の使用を監視する必要性を指摘しています。

著者:Isna Aulia Astika(Department of Pharmacy, Poltekkes Kemenkes Surakarta, Surakarta, 57127, Indonesia)、Dessy Ratna Sari(Department of Pharmacy, Poltekkes Kemenkes Surakarta, Surakarta, 57127, Indonesia)、Muhammad Anugerah Alam Waris(Department of Pharmacy, Poltekkes Kemenkes Surakarta, Surakarta, 57127, Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Isna Aulia Astika, Dessy Ratna Sari, Muhammad Anugerah Alam Waris Analysis of Sodium Cyclamate Content in Brown Sugar Coffee Drinks in Mobile Coffee Vendor at Central Klaten District Using UV-Vis Spectrophotometry. Journal of Chemical Natural Resources 2026-10-09. DOI: 10.32734/jcnar.v8i1.26924. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。