7月、沖縄の食卓ではうみぶどう 生がまさに食べ頃を迎えている。粒の一つひとつは小さく、1本でもわずか約1gほど。指先ほどの房を口に含むと、プチプチと弾ける感触が広がる。これは重さのための食材ではなく、食感を味わうための食材だ。だからこそ気になるのは、この軽やかな一粒に何が詰まっているのかということだ。

軽さの正体と、際立つ2つの成分

うみぶどうは可食部100gあたりわずか6kcal。たんぱく質0.5g、脂質0.1g、炭水化物1.2gと、どの数値も驚くほど小さい。食物繊維総量は0.8g、食塩相当量は0.8gで、海の中で育つ海藻らしい塩味も感じ取れる。エネルギーの低さは、うみぶどうが「量を食べる」料理ではなく「味わいを添える」料理として食卓に上がってきたことと重なる。

ところが、この軽さとは裏腹に際立つ成分が2つある。ひとつはα-カロテンで、100gあたり98µg含まれる。α-カロテンは体内でビタミンAに変わる、いわゆるプロビタミンAの一種だ。もうひとつはヨウ素で、100gあたり80µg。これは成人女性(18歳以上)の推奨量140µg/日の約57%にあたる。ヨウ素は甲状腺ホルモンを構成する成分で、成長・発達やエネルギー代謝に関わるとされる。

なお、ヨウ素には耐容上限量(成人3000µg/日)も定められている。うみぶどう1本が約1gであることを思えば、小鉢に軽く盛って味わう程度の一食量で上限に近づく心配はほとんどないが、海藻類をまとめて多量に食べ続ける場合は留意したい。詳しい基準値は日本人の食事摂取基準で確認できる。

ヨウ素といえば昆布や貝類など海産物に豊富なミネラルだが、同じ海の恵みであるうみぶどうにもしっかり含まれている点は、海の中で育つ食材ならではの一面と言えそうだ。軽やかな食感の裏に、海が育んだミネラルが潜んでいる。この落差こそが、うみぶどうという食材の面白さかもしれない。

※本記事は日本食品標準成分表(八訂)および日本人の食事摂取基準(2025年版)のデータ等をもとに作成しました。

栄養素のはたらき・摂取基準の記述は、次の公的資料に基づきます:厚生労働省 食事摂取基準