著者の所属・活動拠点の国は、フィリピンです。

掲載誌:Transekonomika Akuntansi Bisnis dan Keuangan

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

フライドポテト、ポテトチップス、トッピングをのせたローデッドフライ、ベイクドポテト、マッシュポテトは、すでに広く知られた食品です。研究チームは、こうした身近なポテト食品の地域市場での価値は、目新しさよりも、消費者がいつどのように利用し、どう評価し、どのようなイメージを持っているかによって決まると考えました。

論文によると、フィリピンの家庭の食費は米、肉、魚が中心です。そのため、ポテト食品は主食の米に代わるものというより、メリエンダ(フィリピンで習慣的に食べられる軽食や間食)や付け合わせ、手軽な食事の一品として競合すると著者らは位置づけています。

そこで研究チームは、フィリピン南部ミンダナオ島のイリガン市で、ポテト食品の認知度とイメージ、食べる場面、購入場所、商品の評価を調べました。あわせて、食べる頻度と、健康的か、手頃で入手しやすいか、品質や安全性、日常の食事や文化になじむかといった評価との関連も調べています。分析には、消費者の「利用」「態度」「イメージ」を分けて整理する、市場調査の枠組みを用いました。

どのように調べたか

研究チームは、印刷した質問票とオンラインのフォームでアンケートを行い、有効な回答313件を分析しました。回答者は無作為に選んだものではなく、学生が91.7%、18〜21歳が84.0%を占めました。

このため論文は、結果をイリガン市民全体の推計ではなく、若い学生中心の層について探索的に得られた知見だと明記しています。年齢層や就業状況などで人数に大きな偏りがあったため、属性ごとの比較は行わず、回答者の特徴を記述するにとどめました。

分析では、回答の割合や平均値をまとめたうえで、二つの項目がどの程度連動しているかを示す相関係数を計算しました。相関は二つの項目が一緒に変化する傾向を表すもので、どちらかが原因であることを示すものではありません。

主な結果

回答者のポテト食品に対する見方は好意的でした。「現代的、または革新的なイメージがあるか」という質問に「はい」と答えた人は78.6%でした。論文は、これは回答者が抱くイメージであり、食品そのものが革新的だと示すものではないと注記しています。健康面の評価を「良い」または「非常に良い」とした人は64.8%でした。

一方で、日常的によく食べているとは言えない結果でした。食べる目的は「軽食・間食として」が52.4%で最も多く、「軽食と食事の両方」が30.0%でした。食べる頻度は週1〜2回が65.5%で最多でした。購入先(複数回答)は、露店や屋台が65.8%、スーパーマーケットや食料品店が63.3%で、すぐ食べられる屋台と持ち帰り型の小売店がどちらも主要な入手経路になっていました。

5種類のポテト食品はいずれも高く評価され、フライドポテトとローデッドフライの平均がやや高かったものの、商品間の差はわずかでした。個々の商品の評価項目と、健康性や手頃さなどの評価との関連はどれも小さく、特定の一つの特徴が強く関係しているとは言えないと著者らは述べています。

食べる頻度は、健康性、手頃さと入手しやすさ、品質と安全性のいずれとも統計的に意味のある関連を示しませんでした。関連が見られたのは「日常の食事や文化になじむか」という評価だけで、よく食べる人ほどこの点をわずかに高く評価する傾向がありました。ただしその関連は弱く、論文は実用上強い関係とは言えないとしています。

結果が示すこと

著者らは、調査した若い学生中心の層では、ポテト食品のイメージは良好でも、それが習慣的な利用には結びついていないと結論づけています。良いイメージを持たれていることと、繰り返し買われる需要があることは別だという点が、この研究の中心的な指摘です。

そのうえで論文は、この層を対象とする地元の事業者にとっての課題は新商品の発明よりも、好意的な評価を繰り返しの購入につなげることだとし、試しやすい手頃な価格、屋台や小売店での入手しやすさ、安定した品質、メリエンダなどなじみのある食の場面に結びつけた打ち出し方を挙げています。これらの示唆は調査対象の若い層に限られ、市全体に当てはめるべきではないと著者らは強調しています。

原著論文の著者・所属:Jupert Jasser Abellana(Mindanao State University - Iligan Institute of Technology, Philippines)、Lady Rose Bunao(Mindanao State University - Iligan Institute of Technology, Philippines)、Drena Kyl Lauron(Mindanao State University - Iligan Institute of Technology, Philippines)、Zaira Jane Repaso(Mindanao State University - Iligan Institute of Technology, Philippines)、Hajara Asi(Mindanao State University - Iligan Institute of Technology, Philippines)、Cathyrine Jumawan(Mindanao State University - Iligan Institute of Technology, Philippines)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Jupert Jasser Abellana, Lady Rose Bunao, Drena Kyl Lauron, et al. Consumer Usage, Attitudes, and Product Image of Potato-Based Food Products in Iligan City, Philippines. Transekonomika Akuntansi Bisnis dan Keuangan 2026-09-28. DOI: 10.55047/transekonomika.v6i4.1243. 原著ライセンス:CC BY.