4〜5月に旬の最盛期を迎え、6月にかけて出回るグリンピース(生)。青々としたさやが店先に並ぶ姿は、春から初夏の食卓を彩る風物詩です。実はこの小さな豆が、子どもの成長・骨形成・成長期に意識したい栄養素を数多く含んでいることは、意外と知られていません。今回は日本食品標準成分表(八訂)の実測値をもとに、その実力を数字で掘り下げます。

この時期に注目したい栄養素

グリンピース(生)の可食部100gあたりのたんぱく質は6.9g。野菜としてはかなり高い水準です。成長期の子どもにとってたんぱく質は筋肉・臓器・骨の土台をつくる成分として欠かせません。さらにアミノ酸の内訳を見ると、ロイシン460mg・リシン450mg・バリン300mgと、9種類の必須アミノ酸がそろっている点も見逃せません。

骨形成に関わるミネラルも充実しています。カルシウム23mg・マグネシウム37mg・リン120mg(いずれも100gあたり)という数値は、三者がバランスよく含まれていることを示します。骨の主要構成成分はカルシウムとリン(ハイドロキシアパタイトの形で骨格を形成)であり、マグネシウムはその骨形成を補助する役割を担うことが知られています(厚生労働省「日本人の食事摂取基準」)。成長期に意識したい組み合わせです。

成長期に意識したい栄養素:葉酸と鉄

葉酸(76µg/100g)と鉄(1.7mg/100g)も、成長期の子どもの食事で注目される成分です。葉酸は細胞分裂や核酸合成に関わるビタミンB群の一種。鉄はヘモグロビンの構成成分として全身への酸素運搬を担います。グリンピース(生)の鉄は植物性食品由来の非ヘム鉄であり、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収が高まるとされています。同食品100gあたりのビタミンC含量は19mgで、組み合わせの工夫がしやすい素材です。

おすすめ食品とその数値データ

グリンピース(生)は水分76.5g・エネルギー76kcal(100gあたり)と軽やかな食感が特徴。食物繊維総量は7.7gで、そのうち不溶性食物繊維が7.1gを占めます。不溶性食物繊維は腸の蠕動運動をうながす働きで知られ、よく噛んで食べることで食事の満足感にもつながります。

調理後の数値も確認しておきましょう。ゆでたグリンピースは100gあたりのエネルギーが99kcalに上がり、たんぱく質も8.3gに増えます。これは加熱で水分が抜けて成分が濃縮される影響です。八訂ではゆで後の水分は73.6gと、生(76.5g)より減少しており、この水分減少が各成分の見かけ上の増加につながっています。一方でビタミンB1は生の0.39mgからゆでると0.29mgに、ビタミンCも19mgから16mgへ若干減少します。水溶性ビタミンは加熱・水さらしで溶出しやすいため、ゆで時間は短めにとどめるのがポイントです。カルシウムはゆでると32mg(生は23mg)と数値が上がりますが、これも上記の水分減少による濃縮効果によるものです。

旬の時期を過ぎても冷凍グリンピースが活躍します。葉酸は77µg(生と同水準)、β-カロテンは440µgと冷凍後も安定して含まれており、通年活用できる使い勝手の良さが魅力です。食物繊維総量は八訂の実測値で9.3gと、生(7.7g)より大きな値を示しています。これは冷凍品の水分量が生より少ない(成分が濃縮された状態にある)ためと考えられており、数値はいずれも日本食品標準成分表(八訂)に基づくものです。

毎日の食事への取り入れ方

  • 豆ごはん:旬ならではの楽しみ。グリンピース(生)を塩少量と一緒に炊き込むだけで、鮮やかな緑と甘みが引き立ちます。ビタミンCを少しでも残すため、炊き上がり直前に加えて蒸らす方法もおすすめです。
  • スープ仕立て:ゆでたグリンピースをミキサーにかけてポタージュに。ビタミンCを補うためトマトレモン果汁を添えると、非ヘム鉄の吸収を助ける組み合わせになります。
  • とじ・炒め物:冷凍グリンピースはそのままフライパンへ。炒り卵と合わせれば、たんぱく質・鉄・葉酸をまとめて摂れる一品になります。冷凍のまま加熱することで栄養素の溶出を最小限に抑えられます。
  • お弁当の彩りに:小さいながら存在感の大きい冷凍グリンピースは、お弁当の仕切りとしても優秀。子どもが自然と食べやすい量(数粒)から始めるのも取り入れ方のひとつです。

各食品のさらに詳しい成分値は、グリンピース(生)ゆでたグリンピース冷凍グリンピースの各詳細ページで確認できます。

まとめ

鮮やかな緑色が食卓を彩るグリンピース(生)は、子どもの成長に寄り添う成分を豊富に備えた春から夏の小さな主役です。旬の時期は生のまま豆ごはんに、旬を過ぎたら冷凍グリンピースを上手に使って、一年を通じて食卓に取り入れてみてください。数字で見るほど奥深いこの豆の魅力を、ぜひ家族の食事の中で実感してみてください。

※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。