著者の所属・活動拠点の国は、ウズベキスタンです。

掲載誌:Modern American Journal of Medical and Health Sciences

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究のねらい

大学生の多くは、眠気を払って講義や試験勉強に集中するためにコーヒーを飲みます。最近は、プラスチックや発泡スチロール、内側を樹脂でコーティングした紙のカップで持ち帰り用のコーヒーを飲む機会も増えています。研究チームは、こうした身近な習慣が口の健康とどう関わりうるかを、学生自身がどの程度理解しているかに注目しました。

論文の目的は、使い捨て食器とコーヒーが口の健康に及ぼしうる影響について学生の認識を評価すること、知識の不足している点を明らかにすること、そして予防のための健康教育が必要であることを示すことです。著者らは背景として、コーヒーが歯の表面に着色を生じさせうることや、条件によっては歯の表面の性質を変化させうること、コーヒーと歯周病(歯ぐきや歯を支える組織の病気)との関係については研究結果が一致していないことを挙げています。

調べ方と報告された結果

方法の節では、学年や専攻の異なる大学生を対象とした質問票調査が提案されています。質問項目には、コーヒーを飲む頻度や1日の杯数、砂糖を入れるかどうか、使い捨てカップの利用、コーヒーが歯のエナメル質(歯の表面を覆う硬い層)に与える影響についての知識、熱い飲み物に触れる素材から物質が移る可能性についての認識に加え、歯みがきの回数、フッ素入り歯みがき剤の使用、歯科受診といった口のケアの習慣が挙げられています。なお、方法の節には、現時点では実際の調査結果がなく、数値や統計的結論は示さないという記述があります。一方、結果と考察の節には調査の回答割合が記載されており、回答者数などの詳細は示されていません。以下は、論文の結果と考察の節に記載された内容の紹介です。

論文によると、学生がコーヒーを飲む主な理由は、眠気覚ましや集中力の向上が50%、気分の改善が25%、味や習慣が25%でした。コーヒーが口の健康に悪影響を与えると考えた人は43%、影響はないとした人は28%、分からないとした人は28%と報告されています。歯の色については、56%がコーヒーは歯の色に影響すると答え、29%は時々影響すると答えました。影響はないと考えた人は15%でした。

虫歯との関係については意見が分かれました。49%は砂糖を加えたときだけ虫歯ができると考え、31%はコーヒーを飲む習慣そのものが虫歯のリスクを高めると考えており、20%は直接の関係はないと答えています。また、50%がコーヒーを飲んだ後に口の渇きを感じると答え、29%は時々感じると答えました。コーヒーの後に水を飲む習慣はあまり広まっておらず、42%はそれが歯に役立つことを知らなかったと報告されています。使い捨てカップについての認識を示す回答割合は、論文中に示されていません。

論文はこれらの回答をもとに、カフェイン飲料や、使い捨て食器の使用を含む関連する要因が口の衛生と健康に与える影響について、学生の認識を高める必要があると結論づけています。

コーヒーと使い捨てカップをめぐる論点

著者らは、既存の研究をもとに論点を整理しています。コーヒーに含まれる色素は、歯の表面を覆う薄い膜と結びつき、外側からの着色の原因となりえます。また、不利な条件のもとで酸に繰り返しさらされると、エナメル質の表面が変化することがあります。ただし著者らは、コーヒーを酸性の強い清涼飲料と同じように扱うべきではないとしています。虫歯との関係でより直接的に重要なのは、加える砂糖と、甘い飲み物を口にする頻度だと述べています。

使い捨てカップについては、素材や温度、接触時間によっては、微小なプラスチック粒子などが飲み物へ移る可能性が実験で示されています。しかし著者らは、物質が見つかることと実際に健康被害が生じることを区別する必要があると強調しています。通常の使い方で歯や歯ぐきの病気が起きることを直接示す臨床的な根拠は、現時点では限られているとしています。

こうした整理をふまえ、論文は学生への助言として、コーヒーに入れる砂糖を控えること、飲んだ後に水で口をすすぐこと、フッ素入り歯みがき剤で1日2回歯をみがくこと、熱い飲み物用として作られたカップを使うこと、定期的に歯科を受診することなどを挙げています。

この研究が伝えること

著者らは、この研究の実践的な意義を、学生の知識の不足している点を見つけ出し、それに合わせた予防の取り組みを考えることに置いています。コーヒーや使い捨てカップという日常の身近な習慣を入り口に、学生が口の健康について何を知り、何を知らないのかを確かめることが、健康教育の内容を考える出発点になるというのが、この論文の示す意味です。

原著論文の著者・所属:Toshmatova G.O.、Sunnatova D.S.(Tashkent State Medical University, Tashkent, Uzbekistan)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Toshmatova G.O., Sunnatova D.S.. STUDENTS’ AWARENESS OF THE POTENTIAL IMPACT OF DISPOSABLE TABLEWARE AND COFFEE ON ORAL HEALTH. Modern American Journal of Medical and Health Sciences 2026-10-18. DOI: . 原著ライセンス:CC BY.