著者の所属・活動拠点の国は、オーストラリアです。
掲載誌:Trends in Food Science & Technology
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
食品成分データベースとは、さまざまな食品にどの栄養素がどれだけ含まれているかをまとめた資料です。著者らは、国ごとに作られるこうしたデータベースが、その国で生産され食べられている食品の栄養価を収めた「国の資源」であるべきだと位置づけています。
著者らによれば、データベースの土台には食品科学があります。栄養素を測る化学分析や、食品の加工・調理の方法がそれにあたります。この研究では、食品科学を判断の物差しとして、世界の国別食品成分データベースの現状を調べました。
何を調べたか
研究チームは、オンラインで公開されている国レベルの食品成分データベースを世界中から集めるため、厳密で体系的な検索を行いました。その結果、107のデータベースが見つかりました。
これらのデータベースについて、80の項目に沿って内容を確認しました。項目には、収録している食品の種類、栄養素の数や分類、収録された調理・加工の方法、データの出どころなどが含まれます。
主な結果
抄録によると、ほとんどのデータベースは伝統的な食品(104件)や、加工されていない植物性食品(100件)・動物性食品(96件)を収録していました。一方、比較的新しいタイプの食品を収録しているデータベースは少数にとどまり、その一例である代替肉を含むものは20件でした。
調理・加工の方法では、乾燥(97件)、発酵(93件)、油を使うもの(91件)、粉にひいたもの(89件)が多く収録されていました。いずれも古くから続く伝統的な方法です。これに対し、新しく技術的に高度な方法は、収録がずっと少ないと報告されています。
データの出どころについては、68件のデータベースが食品を実際に化学分析して得た値を含んでいました。また46件は、推定値や計算値を含んでいました。これらは食品の分析から直接得た一次データではない値です。
研究が示すこと
著者らは、食品科学の視点でデータベースを見直すと、用語の扱いや、食品分析・食品加工の新しい技術への対応が課題として浮かび上がると述べています。そのうえで、食品成分データベースは科学的に確かで、その国の実情に合い、使いやすいものであるべきだと結論づけています。そうであってこそ、国の食料供給を知るための価値ある資源になるという考えです。
原著論文の著者・所属:Selina Fyfe(The University of Queensland, Queensland Alliance for Agriculture and Food Innovation, St Lucia, Australia)、Damian Hine(The University of Queensland, Queensland Alliance for Agriculture and Food Innovation, St Lucia, Australia)、Yasmina Sultanbawa(The University of Queensland, Centre for Nutrition and Food Sciences, Queensland Alliance for Agriculture and Food Innovation, St Lucia, Australia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Selina Fyfe, Damian Hine, Yasmina Sultanbawa. A comprehensive global review of country-level food composition databases using a food science frame of reference. Trends in Food Science & Technology 2026-09-22. DOI: 10.1016/j.tifs.2026.106108. 原著ライセンス:CC BY.