近年、健康を意識した間食として、食物繊維やたんぱく質を含む「機能性スナックバー」への関心が高まっています。今回紹介するのは、雑穀の一種である「ソルガム」を使ったスナックバーの研究です。ソルガムはインドネシアで食料安全保障の観点から重要な作物として位置づけられており、栽培のしやすさや部位ごとの活用のしやすさに加え、食物繊維や抗酸化物質を含み、血糖値の上昇度を示すグリセミック指数が低いことから、機能性食品としての可能性が注目されているといいます。この研究では、ソルガムをベースにしたスナックバーを作る際に、材料同士をつなぎとめる「バインダー」の種類を変えることで、味や食感、栄養にどのような違いが出るのかを調べています。
研究でわかったこと
研究チームは、卵白・ダークチョコレート・アレンガ糖(ヤシ科の植物から作られる低糖の甘味料)という3種類の低糖バインダーを使い、それぞれで作ったソルガムスナックバーを比較しました。完全無作為化法という統計的な実験デザインを用い、硬さなどの物理的な特性に加え、味・香り・色・食感・総合的な好ましさといった官能評価(人の感覚による評価)を行い、一元配置分散分析(ANOVA)にDuncanの検定とKruskal-Wallis検定を組み合わせて統計的に分析したとされています。
その結果、最も評価が高かったのは卵白をバインダーに使った配合だったと報告されています。この卵白配合のスナックバーについてさらに栄養成分を調べたところ、水分1.89%、たんぱく質15.09%、脂質2.90%、炭水化物69%(いずれも湿重量ベース)、100gあたりの総カロリーは362.6kcalだったとされています。また機能性食品としての観点からは、総食物繊維量が8.2%、DPPH法による抗酸化活性が57.69%だったと報告されています。研究チームは、このソルガムスナックバーの栄養成分は市販品と同程度であり機能性を示すとともに、米国農務省(USDA)が定めるグラノーラバーの品質基準にも適合していたとまとめています。
この研究の位置づけ・読むうえでの注意
この研究は、あくまで異なるバインダーを用いたスナックバーの試作品を比較し、その中で卵白配合が最も良好な結果を示したという内容であり、健康効果を直接検証したものではない点に留意が必要です。「食物繊維が多い」「抗酸化活性がある」といった成分上の特徴が報告されているものの、これらが実際の健康状態にどのような影響を与えるかについては、この要旨からは述べられていません。また、一つの研究であり、結論が確定したわけではない点にも留意が必要です。
まとめ
今回紹介した研究では、ソルガムをベースにした低糖スナックバーにおいて、卵白をバインダーとして用いた配合が、味や食感などの官能評価および栄養面で最も良好な結果を示したと報告されています。ソルガムのような雑穀を使った食品開発は、今後も様々な形で研究が進んでいく分野といえそうです。
※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:バインダーの種類の違いによるソルガムベース機能性スナックバーの特性と可能性(食品技術・産業ジャーナル・2024年12月)