新緑がまぶしくなる初夏、四国・鳴門の海では潮流に鍛えられた肉厚のわかめが最後の輝きを放っています。徳島県鳴門市周辺で育つ「鳴門わかめ」は、急流・鳴門の渦潮が生み出す強い潮流にもまれることで、葉が厚く締まり、独特のコリコリとした食感をもつことで知られます。この産地ならではのわかめを、子供の骨・脳・体づくりに積極的に役立ててみませんか。
この時期に注目したい栄養素
乾燥わかめ(素干し)100gあたりには、カルシウムが約780mg含まれています(出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂))。最新の「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)によれば、成長期の子供(8〜11歳)のカルシウム推奨量は男子700mg・女子750mg(1日あたり)とされており、わかめは骨の材料となるカルシウムを効率よく補える食品のひとつです。詳細は厚生労働省の最新資料をご確認ください。
さらに注目したいのがヨウ素(ヨード)です。ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料となり、子供の正常な成長や脳の発達を支えるミネラルです。乾燥わかめにはヨウ素が豊富に含まれることが知られており(出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂))、日本人が海藻を日常的に食べる食文化はこうした栄養面でも理にかなっています。また、フコイダンに代表される水溶性食物繊維も豊富で、腸内環境を整えながら免疫の基盤を支える働きが注目されています。
おすすめ食品とその数値データ
鳴門わかめを語るうえで欠かせないのが、その食物繊維の含有量です。乾燥わかめ(素干し)100gあたりの食物繊維総量は約32.7gに上ります(出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂))。実際の調理では水で戻すと大幅に重量が増えるため、1回の使用量は乾燥で3〜5g程度が目安ですが、それでも食物繊維をしっかり摂れる副食材として重宝します。
また、わかめにはマグネシウムも含まれます。マグネシウムはカルシウムとともに骨の形成に関わり、さらに神経や筋肉の働きを整えるミネラルです。乾燥わかめ(素干し)100gあたりのマグネシウムは約1100mgとされています(出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂))。子供が集中して学習できる状態を保つためにも、マグネシウムは見落とせない栄養素といえます。
鳴門わかめの特徴として特筆すべきは、産地ならではの湯通し塩蔵品の流通です。生わかめを短時間湯通しすることで鮮やかな緑色が固定され、塩で保存される「湯通し塩蔵わかめ」は、乾燥品とは異なるみずみずしい食感が楽しめます。塩抜き後の湯通し塩蔵わかめ(100gあたり)にもカルシウム約150mg、食物繊維約3.0gが含まれることが確認されています(出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂))。
毎日の食事への取り入れ方
「茎わかめ」の歯ごたえを活かす
鳴門産の塩蔵わかめには、葉の部分だけでなく茎わかめが付属することがあります。茎は食感が強く、子供の「噛む力」を育てるうえでも◎。細切りにしてごま油・醤油・白ごまで和えるだけで、箸が止まらない一品になります。噛むという行為自体が脳への血流を高め、学習への集中力をサポートするともいわれています。
味噌汁の定番を「鳴門流」にアップデート
わかめの味噌汁は日本の定番ですが、鳴門流では豆腐+わかめ+麩(ふ)の組み合わせに、仕上げにすりごまをひとふりします。豆腐のカルシウムとわかめのマグネシウムが同時に摂れる「骨づくりの黄金汁」です。朝食に一杯添えるだけで、子供が学校へ出かける前の栄養基盤がぐっと高まります。
酢の物でカルシウム吸収をサポート
カルシウムは酸性の環境で溶けやすくなり、酢と組み合わせることで吸収が高まると考えられています。鳴門わかめ+きゅうり+ちりめんじゃこの三杯酢和えは、産地でも親しまれる家庭料理です。ちりめんじゃこにはビタミンDも含まれ、カルシウムの骨への沈着を助ける相乗効果が期待できます。
スープ・炊き込みご飯への応用
乾燥わかめは水で戻さずそのまま熱い汁物に加えることができ、忙しい朝の時短調理にも最適です。また、炊き込みご飯の仕上げ段階で戻したわかめを混ぜ込む「わかめご飯」は子供に人気が高く、ひとつの食事でカルシウム・食物繊維・ヨウ素をまとめて摂れる理にかなったメニューです。
徳島鳴門の豊かな海が育てたわかめは、子供の骨・脳・腸を内側からサポートする小さな力持ちです。乾燥・塩蔵・茎わかめと形態もさまざまなので、飽きずに毎日の食卓に登場させられるのも大きな魅力。旬の恵みを家族みんなで味わいながら、初夏の食卓を豊かに彩ってみてください。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。