著者の所属・活動拠点の国は、パキスタンです。
掲載誌:Link Medical Journal of Health and Community Research
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
甘い炭酸飲料は手軽でおいしい一方、糖分の摂りすぎにつながりやすいことが指摘されています。そこで近年注目されているのが、紅茶や緑茶を発酵させてつくる「コンブチャ」のような発酵飲料です。コンブチャには有機酸や抗酸化に関連する成分が含まれるとされ、そこにビタミンCや有機酸、ポリフェノールを含むとされるキウイフルーツを組み合わせたら、どんな飲料ができるのか——そんな発想から行われたのが今回紹介する研究です。
研究でわかったこと
この研究では、キウイを加えたコンブチャを2種類のレシピで試作しました。どちらもブドウを使い、一方には蜂蜜、もう一方にはショウガを加えて発酵させています。発酵の過程では、pH(酸性度の指標)、総ポリフェノール量、総フラボノイド量、抗酸化力を示すFRAPやDPPHという指標、そしてアルコール濃度が経時的に測定されました。あわせて、25〜30人の成人ボランティアが「風味」「食感」「香り」「見た目」「総合的な好ましさ」を9段階で評価する官能評価も行われています。
その結果、蜂蜜を使ったコンブチャは、ショウガを使ったものよりも風味(6.84点 対 5.76点)、食感(6.80点 対 5.80点)、総合的な好ましさ(7.64点 対 6.64点)のいずれにおいても評価が高く、これらの差は統計的に意味のある差(統計学的有意差)であったと報告されています。
また、発酵が進むにつれてpHは開始時点の約4.2から、14日目には3.1〜3.5まで低下し、酸味が強くなっていく様子が確認されました。アルコール濃度については、蜂蜜入りキウイコンブチャで7日目に3.50%、ショウガ入りキウイコンブチャで同じく7日目に3.25%と、それぞれピークに達したことが示されています。
この研究の位置づけ・読むうえでの注意
この研究は、キウイを使ったコンブチャという新しい飲料の試作と、その発酵過程や味の評価をまとめた一つの実験研究です。論文の著者らも、さらに条件を揃えた標準化された試験や、抗酸化性など生化学的なデータのより詳細な報告、そして市販の炭酸飲料との直接比較が今後必要だと述べています。今回の結果だけで「体に良い」「炭酸飲料より優れている」と結論づけられるものではなく、あくまで一つの研究段階の知見として捉えるとよさそうです。また、発酵によってアルコールが生じる点も、飲料としての位置づけを考えるうえで留意しておきたいポイントです。
まとめ
この研究では、キウイとブドウに蜂蜜またはショウガを組み合わせたコンブチャが試作され、発酵に伴う酸性度の変化やアルコール生成、風味の好ましさなどが調べられました。特に蜂蜜を使ったレシピの方が、風味・食感・総合的な好ましさで高く評価されたと報告されています。炭酸ソフトドリンクに代わる選択肢としての可能性を探る研究の一つとして、今後のさらなる検証が期待されます。
※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。出典(原著論文):キウイベースのコンブチャの開発と評価:炭酸ソフトドリンクに代わる機能性飲料として(リンク医学ジャーナル・オブ・ヘルス・アンド・コミュニティ・リサーチ・2026年06月)
著者:Wafa Fatima(School of Health Sciences, University of Management and Technology, Lahore, Pakistan)、Sara Sarbuland(School of Health Sciences, University of Management and Technology, Lahore, Pakistan)、Malaika Irshad(School of Health Sciences, University of Management and Technology, Lahore, Pakistan)、Zainab Masood(Lecturer, Nutrition Science Department, School of Health Sciences, University of Management and Technology, Lahore, Pakistan)、Maida Mushtaq(Lecturer, Physical Therapy and Rehabilitation, School of Health Sciences, University of Management and Technology, Lahore, Pakistan)