著者の所属・活動拠点の国は、トルコです。

掲載誌:Foods

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

抹茶は、茶葉を細かく挽いた粉末を湯に溶かし、葉ごと口にする飲み物です。最近は水で点てるだけでなく、牛乳や植物性ミルクで作る抹茶ラテや、果物などの風味を加えたフレーバー抹茶としても広く飲まれています。一方で、こうした作り方の違いが、抹茶飲料の抗酸化性・酸化性の測定値にどう表れるのかは、はっきりしていませんでした。

研究チームは、市販の抹茶製品について、フレーバーの種類、溶かす液体、作るときの温度の三つの条件に注目しました。そのうえで、飲料の「酸化させる力」と「酸化を抑える力」に関わる測定値を、条件ごとに比べました。

何をどのように調べたか

対象は、トルコのオンライン市場で購入した26種類の市販抹茶製品です。6ブランドの製品が含まれ、フレーバーなしの製品と、レモン、イチゴ、バニラ、マンゴー、ピスタチオ、ブラックベリー、ココナッツ、ビーツの8種類のフレーバー製品に分けられました。

各製品は、水、全脂の牛乳、アーモンドミルク、オーツミルクの4種類の液体を使い、25℃と80℃の2つの温度で作られました。1製品あたり8通りの条件となり、合計208杯分の試料が用意されました。なお80℃は作り始めの温度で、その後は振り混ぜている間に自然に冷めています。

測定したのは、総抗酸化能(TAS)と総酸化能(TOS)です。TASは、試料が特定の試薬反応の中で示す酸化を抑える力の合計です。TOSは、別の発色反応で検出される酸化させる力の合計です。さらに、TOSをTASで割った値を酸化ストレス指数(OSI)として計算しました。OSIは独立した測定値ではなく、二つの測定値の比を表す指標です。

測定の前には、フィルターで茶葉の粒子を取り除きました。そのため、測定値は飲むときの抹茶そのものではなく、ろ過した液体部分を表します。また、牛乳や植物性ミルクなどの液体だけを測る対照は設けておらず、測定値には液体そのものの寄与も含まれ得ると著者らは述べています。

主な結果

フレーバーの種類によって、TASとTOSには統計的に意味のある差が見られました。一方、OSIには差が見られませんでした。TASとTOSが最も低かったのは、ビーツフレーバーに分類された製品でした。ただし著者らは、これは調べた市販製品どうしの配合の違いを反映したもので、ビーツの風味づけそのものの効果と解釈すべきではないと注意しています。

溶かす液体の違いでは、TAS、TOS、OSIのいずれにも統計的に意味のある差があり、効果の大きさも大きいと報告されました。温度についても、三つの指標すべてで差が見られました。

条件別の平均値では、TASが最も高かったのは水・25℃(4.55 mmol/L)で、最も低かったのは牛乳・80℃(3.79 mmol/L)でした。TOSとOSIが最も高かったのはオーツミルク・80℃、最も低かったのは牛乳・25℃でした。ビーツ以外の多くのフレーバーでは、牛乳で作るとTOSとOSIが低めになり、オーツミルクで作ると最も高くなる傾向がありました。アーモンドミルクは、特に80℃で中程度から高めの値を示しました。

温度と液体、液体とフレーバーをそれぞれ組み合わせて比べた場合にも、大きな効果の大きさが示されました。

この研究が伝えること

今回の研究から、市販の抹茶飲料の酸化・抗酸化に関わる測定値は、フレーバー製品の種類、溶かす液体、温度によって変わることが分かりました。抹茶を「何で、何度で作るか」が、測定結果を左右する要因になり得るということです。

ただし著者らは、これらの違いは飲料の成分構成と測定法に左右される分析上の差だと強調しています。体内で酸化ストレスが起きることや、健康への影響を示す証拠として受け取るべきではないとしています。

原著論文の著者・所属:Çiler Özenir(Department of Nutrition and Dietetics, Kırıkkale University, Kırıkkale 71100, Türkiye)、Mihrican Çubuk(Department of Nutrition and Dietetics, Erzincan Binali Yıldırım University, Erzincan 24100, Türkiye)、Canan Altınsoy(Department of Nutrition and Dietetics, Recep Tayyip Erdoğan University, Rize 53100, Türkiye)、Duygu Ağagündüz(Department of Nutrition and Dietetics, Gazi University, Ankara 06490, Türkiye)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Çiler Özenir, Mihrican Çubuk, Canan Altınsoy, et al. Oxidant–Antioxidant Status of Commercial Matcha Beverages According to Flavor Category, Preparation Medium, and Preparation Temperature: A Comparative Evaluation. Foods 2026-09-24. DOI: 10.3390/foods15193410. 原著ライセンス:CC BY.