著者の所属・活動拠点の国は、トルコです。
掲載誌:Turkish Journal of Agriculture: Food Science and Technology
ライセンス: CC BY-NC 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF
スーパーマーケットで買い物をしていると、パッケージの片隅に「リサイクル可能」マークや、緑色の丸いロゴ、オーガニック認証のマークなどを目にすることがあります。こうした表示は、環境や社会への配慮を消費者に伝えるためのものですが、実際にどれくらいの商品に、どんな種類のロゴが付いているのでしょうか。今回紹介するのは、トルコのバルケシル県にあるチェーン系スーパーマーケットを対象に、食品パッケージ上の「サステナビリティ(持続可能性)関連ロゴ」の表示状況を調べた研究です。トルコ農業・食品科学技術ジャーナルに2026年06月に掲載予定です。
どんな方法で調べたのか
研究チームは、バルケシル県内の3つの異なるチェーングロサリーストアを訪れ、肉類、乳製品(動物由来・植物由来の両方を含む)、野菜、果物、ソース類、シリアル類、調理済み食品、スナック菓子という8つのカテゴリーにわたる、合計1,039点の食品を直接観察する形で調査しました。パッケージに表示されているロゴや表示として、オーガニック(有機農産物)マーク、リサイクル可能包装マーク、サステナブルシーフード認証、グリーンドット(Green Dot)ロゴ、EU(欧州連合)のロゴ、フェアトレードロゴ、カーボンフットプリント表示、さらにGMOフリー、動物福祉、ベジタリアン、ヴィーガンといった表示の有無を確認しました。各ロゴについて「あり」か「なし」かをコード化し、商品カテゴリーごとに集計するという方法で、統計的な処理(頻度・割合の算出)が行われています。
調査でわかったこと
分析対象となった商品のうち67.0%には、少なくとも1つのサステナビリティ関連ロゴが表示されていたと報告されています。最も多く見られたのはグリーンドットロゴ(29.5%)とリサイクル可能包装マーク(29.0%)で、この2つが目立って多い結果となりました。一方で、オーガニック農業ロゴ(2.5%)、ヴィーガンロゴ(2.4%)、適正農業規範(Good Agricultural Practices)ロゴ(1.9%)、森林管理協議会(FSC)ロゴ(1.4%)などは、表示されている商品がかなり少なかったとされています。さらに、サステナブルシーフードロゴ、EUオーガニック農業ロゴ、カーボンフットプリント表示、フェアトレードロゴについては、今回調査した商品の中には見当たらなかったと報告されています。これらの結果から、研究チームは食品パッケージにおけるサステナビリティロゴの「見える化」はまだ限定的であるとまとめ、消費者の意識を高め、環境に配慮した生産・消費を後押しするためには、こうしたラベルの使用をより広げることや、このテーマに関するさらに包括的な研究が必要だと提言しています。
この研究を読むうえで気をつけたいこと
この研究は、トルコのバルケシル県にある特定のチェーンスーパー3店舗、8カテゴリーの商品を対象にした調査であり、直接観察によってロゴの有無を確認するという方法がとられています。そのため、ここで示された数値や傾向がそのまま他の地域や国、他の店舗形態にも当てはまるとは限りません。また、この調査はあくまでパッケージ上の表示の「有無」を数えたものであり、それぞれのロゴが実際の環境負荷の低減や持続可能な生産にどの程度結びついているかを検証したものではない点にも留意が必要です。一つの研究であり、これだけで結論が確定したわけではありません。
まとめ
今回の調査では、トルコ・バルケシル県のチェーンスーパーで販売される食品のうち、約7割に何らかのサステナビリティ関連ロゴが表示されていた一方で、ロゴの種類にはかなりの偏りがあり、リサイクルマークやグリーンドットが目立つ反面、オーガニックやヴィーガンなどの表示は少数にとどまっていることが示されました。研究チームは、こうした表示をさらに広げることと、この分野での研究を積み重ねていくことの重要性を指摘しています。買い物の際にパッケージのロゴに目を向けてみると、こうした表示の実態を身近に感じられるかもしれません。
※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。出典(原著論文):トルコのチェーンスーパーマーケットにおける食品包装上のサステナビリティロゴの出現頻度:バルケシルの事例(トルコ農業・食品科学技術ジャーナル・2026年06月)
著者:Tuba Onay(Bandırma Onyedi Eylül University, Faculty of Health Sciences, Department of Nutrition and Dietetics, Bandırma, Balıkesir, Türkiye)、Hasret Arslan(Bandırma Onyedi Eylül University, Faculty of Health Sciences, Department of Nutrition and Dietetics, Bandırma, Balıkesir, Türkiye)、Dilay Karabıyık(Bandırma Onyedi Eylül University, Faculty of Health Sciences, Department of Nutrition and Dietetics, Bandırma, Balıkesir, Türkiye)、Rümeysa Gerboğa(Bandırma Onyedi Eylül University, Faculty of Health Sciences, Department of Nutrition and Dietetics, Bandırma, Balıkesir, Türkiye)