紫がかった鱗状の皮を割ると、中から現れるのは真っ白、あるいはほんのり赤い半透明の果肉だ。そこに黒ごまのような種がびっしりと散らばる――その断面のインパクトこそ、ドラゴンフルーツ 生が「見て楽しい果物」と言われるゆえんだ。ストロベリーペア、ピタヤとも呼ばれるこの果物は、日本では主に沖縄で育てられている南国フルーツで、よく冷やしてそのまま味わう食べ方は暑い季節にこそ映える。
果肉は多汁で上品な甘さがあり、種のプチプチとした食感がアクセントになる。なお成分表に「沖縄ドラゴンフルーツ」という個別の収録はないため、ここでは一般的な「ドラゴンフルーツ 生」の実測値で見ていく。可食部100gあたりのエネルギーは52kcalと軽やかで、たんぱく質1.4g、脂質0.3g、炭水化物11.8gという構成だ。1個はおよそ150gが目安とされ、この量で食べても100g値の1.5倍程度と考えれば、果物としては比較的軽い部類に入る。特筆すべきは食物繊維総量1.9g。多いとまではいえない数値だが、みずみずしい果肉の中にもきちんと繊維が含まれている点は、南国果実らしい発見と言えるだろう。
この果物の色にも実は理由がある。紫色の果皮や、赤系品種の赤い果肉には色素成分が含まれており、実際に沖縄では紫の果皮を菓子の色づけに利用することがあるという。果肉だけでなく皮まで役立てる知恵が根づいているわけだ。さらに面白いのは、つぼみも野菜として利用されているということだ。果実として食べる部分の外側にも、暮らしに溶け込んだ使い道が広がっている。
冷やしてスプーンですくう、夏の食べ方
一番おすすめの食べ方はシンプルだ。よく冷やしてから縦半分に切り、スプーンで果肉をすくって食べる。皮を剥く手間もなく、キンと冷えた果肉をそのまま口に運べる気軽さは、暑い盛りの沖縄でこそ映える食べ方だろう。すくった果肉はそのまま楽しむのはもちろん、ジュースにして喉を潤すのもいい。上品な甘さとプチプチした種の食感は、他の果物にはない独特の満足感をもたらしてくれる。
同じく沖縄で育つ果物には、旬が秋から冬にかかるスターフルーツや、5〜7月が旬のパインアップル、奄美大島や沖縄が産地のパッションフルーツなどがある。それぞれ旬の時期が異なるからこそ、沖縄の果物棚は一年を通して表情を変えていく。その中でドラゴンフルーツは、冷やしてすくう食べ方が夏の食卓によく似合う一玉だ。
見た目も涼しい、夏のご褒美フルーツ
52kcalという軽さと1.9gの食物繊維、そして何より紫の皮を割った瞬間の視覚的な楽しさ。ドラゴンフルーツは、味だけでなく「切る・すくう」という体験そのものが夏のご褒美になる果物だ。よく冷やしてスプーンを差し込む、そのひんやり感を楽しみに、この夏は沖縄育ちの一玉を食卓に迎えてみてはどうだろうか。上品な甘さとプチプチした種の食感を、涼を求める一皿として味わってほしい。
※特定の食品の効果・効能を示すものではありません。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。