5月の風が心地よく吹き抜けるこの季節、青々とした豆のさやが店先に並び始めます。ぷっくりとしたグリーンピース(生)は、まさに今が旬の春の恵み。鮮やかなグリーンの色合いは、食卓に季節の彩りを添えてくれるだけでなく、高齢の方の骨・筋力・免疫の維持を支える栄養素をしっかり含んでいます。
この時期に注目したい栄養素
高齢になると、骨密度の低下や筋肉量の減少、免疫機能の衰えが気になってくるものです。そこで5月の旬食材であるグリーンピース(生)が持つ主要栄養素に注目してみましょう。
- たんぱく質:筋肉を作り・維持するための基本栄養素です。グリーンピース(生)は100gあたり6.9gのたんぱく質を含みます。野菜類としては非常に高い水準で、筋力低下が心配な高齢の方にとってうれしい食材です。
- 鉄:免疫細胞の働きや体全体への酸素運搬に関わるミネラルです。グリーンピース(生)は100gあたり1.7mgの鉄を含みます。
- カルシウム:骨の健康維持に欠かせないミネラルで、グリーンピース(生)100gあたり23mgを含みます。
- ビタミンC:免疫機能のサポートや、コラーゲンの生成(骨や皮膚の健康に関わります)を助ける働きが知られています。グリーンピース(生)は100gあたり19mgのビタミンCを含んでいます。
- 食物繊維:腸内環境を整え、免疫機能の土台となる腸の健康に貢献します。グリーンピース(生)は100gあたり7.7gと、豊富な食物繊維を含んでいます。
なお、最新の「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」では高齢者のたんぱく質・カルシウム・ビタミンCの推奨量が詳しく示されています。詳細は厚生労働省の最新資料をご確認ください。
おすすめ食品とその数値データ
グリーンピースには生・ゆで・冷凍の形態があり、それぞれ栄養の特徴が異なります。日本食品標準成分表(八訂)の実測値をもとに比べてみましょう。
生
グリーンピース(生)は、エネルギー76kcal、たんぱく質6.9g、鉄1.7mg、カルシウム23mg、ビタミンC 19mg、食物繊維7.7g(いずれも100gあたり)。5月に旬を迎えるこの時期だけ味わえる、新鮮な風味が魅力です。
ゆで
グリーンピース(ゆで)は、エネルギー99kcal、たんぱく質8.3g、鉄2.2mg、カルシウム32mg、ビタミンC 16mg、食物繊維8.6g(いずれも100gあたり)。ゆでることでたんぱく質・鉄・カルシウム・食物繊維が生よりも高い値を示しています。これは加熱により水分が抜けて成分が濃縮されるためです。特に鉄2.2mg・カルシウム32mgは骨や血液の健康が気になる高齢の方にとって見逃せない数値です。
冷凍
グリーンピース(冷凍)は、エネルギー80kcal、たんぱく質5.8g、鉄1.6mg、カルシウム27mg、ビタミンC 20mg、食物繊維9.3g(いずれも100gあたり)。旬の時期以外でも手軽に入手できる利点があり、ビタミンCは生よりわずかに多い20mg、食物繊維は3種の中で最も多い9.3gという点も注目です。忙しい毎日でも常備しやすく、継続して摂取しやすい形態です。
毎日の食事への取り入れ方
グリーンピースは調理のハードルが低く、日常の食事にすっと溶け込みます。以下に実践しやすいアイデアを紹介します。
- ご飯に混ぜる(豆ご飯):旬の季節には、グリーンピース(生)を使った豆ご飯がおすすめ。塩と昆布だしで炊き込むだけで香り豊かな一品になります。主食と同時にたんぱく質・鉄・食物繊維を補えます。
- スープや味噌汁に加える:グリーンピース(冷凍)は凍ったまま汁物に入れられるので、毎朝の味噌汁やコンソメスープにひとつかみ加えるだけで手軽に摂取できます。
- 卵とじや炒め物に:グリーンピース(ゆで)を卵とじにすると、たんぱく質をダブルで摂ることができ、筋力維持が気になる高齢の方にも食べやすい一品になります。
- サラダやポタージュに:すり潰してポタージュスープにすると、飲み込みやすくなり、咀嚼力が低下した方にも取り入れやすい形に。ビタミンCや食物繊維もしっかり摂れます。
毎回大量に使う必要はありません。一食に大さじ2〜3杯(約30g程度)をこまめに加える習慣が、日々の積み重ねにつながります。
5月の食卓にグリーンピース(生)の鮮やかな緑を取り入れることは、季節を感じる喜びと体を支える栄養の両方を暮らしにもたらしてくれます。旬の短いこの時期だからこそ、生の風味を楽しみながら、グリーンピース(冷凍)やグリーンピース(ゆで)も上手に使い分けて、無理なく日常の食事に取り込んでみてください。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。