5月の青空の下、新じゃがいもが市場に並ぶ季節になりました。ほくほくとした食感と土の香りが食欲をそそり、シンプルに塩ゆでするだけでも十分においしい旬の味覚です。「じゃがいもは太る」「じゃがいもは糖質ばかりで栄養が少ない」——そんな声をよく耳にしますが、果たしてデータはどう語るのでしょうか。今回は新じゃがいもにまつわる思い込みを丁寧に検証してみます。

この時期に注目したい栄養素

新じゃがいもを語るとき、最初に挙げたいのがビタミンCです。じゃがいもはビタミンCの供給源として意外なほど優秀で、文部科学省が公表する日本食品標準成分表(八訂)によれば、じゃがいも(皮なし・生)のビタミンC含有量は100gあたり28mgとされています(出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」)。成人1日あたりのビタミンC推奨量は最新の「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)によれば100mgですが、じゃがいも中1個(約150g)を食べるだけで約42mgを摂取できる計算になります。詳細は厚生労働省の最新資料をご確認ください。

さらに注目すべきは、じゃがいものビタミンCがでんぷんに守られているという点です。野菜の多くは加熱によってビタミンCが大きく失われますが、じゃがいもは加熱しても比較的ビタミンCが残りやすいという特性があります(出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」)。「じゃがいもは糖質の塊」と敬遠しがちですが、ビタミンCという視点から見ると、5月にぜひ積極的に食べたい食材のひとつといえます。

また、カリウムも見逃せません。同成分表によれば、じゃがいも(皮なし・生)のカリウム含有量は100gあたり410mgです(出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」)。5月は気温が上がり始め、汗をかく機会も増えます。汗と一緒に失われるミネラルを補う意味でも、旬の新じゃがはタイムリーな食材といえます。

おすすめ食品とその数値データ

新じゃがいもと組み合わせると栄養バランスが整いやすい食品として、今回はきな粉(脱皮大豆)に注目してみましょう。

きな粉(脱皮大豆)は100gあたりエネルギー456kcal、たんぱく質37.5g、脂質25.1g、炭水化物29.5g、食物繊維15.3g、カルシウム180mg、鉄6.2mgという構成です。カロリーが高めに見えますが、実際の使用量は大さじ1〜2杯(約7〜14g)程度。少量でたんぱく質と食物繊維を効率よく補える優れものです。

じゃがいもはたんぱく質が少なく食物繊維もそれほど多くないため、きな粉(脱皮大豆)の食物繊維15.3g(100gあたり)とたんぱく質37.5g(100gあたり)は良い補完になります。「じゃがいも料理はたんぱく質が物足りない」という印象も、組み合わせ次第で解消できるのです。

また、もうひとつ手軽に使えるのが大豆はいがです。大豆はいがは100gあたりエネルギー404kcal、たんぱく質37.8g、食物繊維18.8g、鉄12.0mgと、特に鉄分の含有量が際立っています。5月は新生活の疲れが出やすい時期でもあり、鉄分を意識したい方には大豆はいがを副菜に添える工夫が参考になるでしょう。

毎日の食事への取り入れ方

  • 蒸しじゃがいも×きな粉ディップ新じゃがいもを皮ごと蒸し、きな粉(脱皮大豆)味噌みりんを混ぜたペーストを添えるだけ。大豆由来のたんぱく質と食物繊維を一緒に摂れる一品です。
  • 新じゃがの和風サラダ×大豆はいがトッピング:スライスした新じゃがいもをさっとゆで、大豆はいがをふりかけてポン酢で和えるだけ。食物繊維と鉄分を手軽にプラスできます。
  • 皮ごと調理を意識する新じゃがいもは皮が薄く、皮ごと調理することで食物繊維とカリウムをより多く摂ることができます。農薬が気になる場合はしっかりと水洗いしてから使いましょう。
  • ビタミンCを逃さない工夫:長時間の水さらしはビタミンCを流出させる可能性があります。切ったらなるべく早く加熱調理するか、電子レンジ加熱を活用するのがおすすめです。

まとめ

じゃがいもは太る」「糖質しかない」という思い込みはデータで検証すると大きく揺らぎます。ビタミンCやカリウムを豊富に含み、しかも加熱後もビタミンCが残りやすいという特性は、旬の新じゃがならではの魅力です。きな粉(脱皮大豆)大豆はいがといった大豆食品と組み合わせれば、たんぱく質・食物繊維・鉄分も一緒に補えるバランスの良い食事に仕上がります。5月の青々した空気の中、旬の新じゃがいもを食卓に迎えて、この季節ならではの豊かな食事を楽しんでください。

※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。