6月に入り、初夏の日差しがまぶしい季節になりました。この時期、果物売り場をぱっと明るくするのが、つやつやと輝く赤い宝石、さくらんぼです。全国生産量の大半を占める山形県では、まさに今が収穫の最盛期。露地ものが店頭に並ぶ、一年でもっとも待ち遠しい時期がやってきました。

この時期に注目したい栄養素

さくらんぼ(国産・生)は、可食部100gあたり水分83.1g、エネルギー64kcalと、みずみずしく軽やかな果物です。注目したいのはカリウムで、100gあたり210mg。汗をかきやすくなるこの季節、体内の水分バランスに関わるミネラルとして知られる成分です。

さらに葉酸が100gあたり38µg含まれ、ビタミンCも10mg。赤い色のもとには、β-カロテンが81µg、β-クリプトキサンチンが21µgと、カロテノイドがバランスよく含まれているのも特徴です。摘みたてをそのまま頬張れる果物だからこそ、これらの成分を加熱で損なわずに味わえるのがうれしいところです。

おすすめ食品とその数値データ

市場では国産と並んで、アメリカンチェリーと呼ばれるさくらんぼ(米国産・生)も見かけます。同じさくらんぼでも、数字を並べると個性の違いが見えてきます。

  • カリウム:国産210mg/米国産260mg(100gあたり)
  • マグネシウム:国産6mg/米国産12mg(100gあたり)
  • 食物繊維総量:国産1.2g/米国産1.4g(100gあたり)。うち水溶性は国産0.1g、米国産0.6gと米国産が多め
  • 葉酸:国産38µg/米国産42µg(100gあたり)

エネルギーはどちらも64kcalで同じですが、無機質や食物繊維では米国産がやや上回ります。一方で香り高く繊細な甘酸っぱさは、佐藤錦に代表される国産さくらんぼならでは。色の濃さに表れるカロテノイドも、国産はβ-カロテン当量98µgと、米国産の23µgを上回ります。深紅で食べ応えのある米国産と、上品な国産。用途で使い分けるのが賢い選び方です。

毎日の食事への取り入れ方

繊細な味わいの国産さくらんぼは、まず冷やしすぎず常温に近い状態でそのまま味わうのがおすすめ。香りと酸味のバランスが引き立ちます。食べる直前にさっと冷水にくぐらせる程度が、産地での粋な楽しみ方です。

果肉がしっかりした米国産さくらんぼは、ヨーグルトに添えたり、半分に切ってサラダの彩りにしたりと、料理に組み込みやすいのが利点。煮込みやコンポートにしても煮崩れしにくく、初夏のデザートに向いています。どちらも水分が80%以上と多く、軽やかな口当たりです。

初夏の短い旬を彩るさくらんぼは、産地で食べる一粒の幸福感が格別です。国産の繊細さ、米国産の力強さ、その違いを数字とともに楽しみながら、この季節ならではの味わいを満喫してください。

※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。