この研究は、カザフスタンの研究機関の研究論文です。

掲載誌:The Journal of Almaty Technological University

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

動物性脂肪の使われ方と伝統を調べる

研究チームは、カザフスタンで動物性脂肪が料理や家庭での手当て、化粧品などにどのように使われているかを調べました。目的は、利用者の考え方や伝統的な知識の受け継がれ方を把握し、自然由来の素材として暮らしの中で持つ意味を評価することでした。

調査には、国内のさまざまな地域から311人がオンラインで参加しました。18の質問で、使う脂肪の種類や頻度、用途、家庭の伝統やレシピなどを尋ね、回答を割合としてまとめるとともに、自由記述の内容を整理しました。参加者の69.6%は南部の地域からで、83.9%は女性でした。

羊の尾の脂肪と馬脂が中心

著者らの報告では、利用される動物性脂肪の中心は、羊の尾に蓄えられる脂肪と馬の脂肪でした。回答者の73.6%が羊の尾の脂肪を、50.2%が馬脂を使うと答えました。また、71.1%が動物性脂肪を料理に利用すると回答しています。論文では、揚げパンの一種であるバウルサクや肉料理、馬肉を使う伝統的な腸詰めなどと、これらの脂肪の関わりが説明されています。

一方、普段の調理で主に使う油脂としては、54.5%が植物油を挙げました。著者らは、植物油が広く使われる現在も、動物性脂肪が伝統料理の中で役割を保っているとまとめています。

家庭の手当てや製品への関心にも残る伝統

料理以外では、70.2%が動物性脂肪を口から摂ったり、体に塗ったりする民間の手当てに利用すると回答しました。自由記述には、風邪のときや体を温めたいときに使う例などがありました。また、78.3%は動物性脂肪が健康に良いと考えていました。これらは回答者の経験や認識を示す結果であり、この調査が治療効果を確かめたわけではありません。

著者らは、化粧品としての利用は少ないものの、動物性脂肪から作られる製品への関心は見られたと報告しています。クリームや石けんなどの製品を知っていると答えた人は40.9%でした。

論文が描くのは、動物性脂肪が単なる調理材料ではなく、伝統料理や家庭の知識と結びついた素材であるという姿です。著者らは、暮らし方や使う油脂が変わる中でも、羊の尾の脂肪と馬脂が食文化と日常の実践に残っていると結論づけています。

著者:Meruert Syzdyk(Kazakh National University named after Al-Farabi)、Moldir Nurseitova(LLP "Antigen-scientific-production enterprise")、Yerkin Massanov(Nur-Mubaraka University)、Mira Serikkyzy(Almaty Technological University)、A. G. Tolegen(LLP "Antigen-scientific-production enterprise")、Kuanysh Syman(LLP "Antigen-scientific-production enterprise")、Nurlan Akhmetsadykov(LLP "Antigen-scientific-production enterprise")

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Meruert Syzdyk, Moldir Nurseitova, Yerkin Massanov, et al. Domestic use and technological potential of animal fats in Kazakhstan: cultural and practical aspects. The Journal of Almaty Technological University 2026-09-30. DOI: 10.48184/2304-568x-2026-3-14-26. 原著ライセンス:CC BY.