5月に入ると、店頭に白くみずみずしい新玉ねぎが並び始めます。通常の玉ねぎよりも甘みが強く、辛みが穏やかな新玉ねぎは、この季節だけの特別な恵み。高齢になるほど気になる骨の健康・筋力の維持・免疫機能のサポートという3つの課題に、旬の食材を組み合わせながら美味しくアプローチしていきましょう。

この時期に注目したい栄養素

高齢者が意識したい栄養素の筆頭はカルシウムビタミンC、そしてたんぱく質です。カルシウムは骨密度を維持するために欠かせず、最新の「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」でも70歳以上の男性は1日700mg、女性は600mgの摂取が推奨されています(詳細は厚生労働省の最新資料をご確認ください)。ビタミンCはコラーゲン合成を助け、骨・軟骨・血管の強さを下支えするとともに、免疫機能の維持にも関わる大切な栄養素です。たんぱく質は筋肉の材料となり、サルコペニア(加齢による筋肉量の低下)の予防の観点からも、毎食意識して摂ることが望まれます。5月の新玉ねぎはこれらの栄養素を含む食材と組み合わせることで、一層その恩恵を引き出しやすくなります。

おすすめ食品とその数値データ

まず主役の玉ねぎ(りん茎・生)は、100gあたりエネルギー33kcal、ビタミンC 7mg、カルシウム17mg、食物繊維1.5gとカロリーを抑えながら腸内環境にも働きかける食材です(出典:日本食品標準成分表(八訂))。水にさらした水さらし玉ねぎはビタミンCが5mgに若干減少するため、辛みを抑えたい場合は短時間にとどめるのがポイントです。

さらに注目したいのが葉玉ねぎ(りん茎及び葉・生)です。青い葉の部分も一緒に食べるこの食材は、100gあたりカルシウム67mg・ビタミンC 32mg・鉄0.6mg・食物繊維3.0gと、通常の玉ねぎに比べてカルシウムは約4倍、ビタミンCは約4.6倍と栄養が豊富(出典:日本食品標準成分表(八訂))。旬の今こそ積極的に活用したい食材です。

骨ごと食べられるまあじ(小型・骨付き・から揚げ)は、カルシウムの宝庫です。100gあたりカルシウム900mg・たんぱく質24.0gと、1食分で一日のカルシウム目標量に大きく近づける優れた食材(出典:日本食品標準成分表(八訂))。玉ねぎのビタミンCと組み合わせると、鉄の吸収も助けられる一石二鳥の組み合わせです。

また、豚軟骨(ゆで)は100gあたりカルシウム100mg・たんぱく質17.8g(出典:日本食品標準成分表(八訂))を含み、コラーゲン由来の成分も一緒に摂れることから、関節や軟骨を気にする方にも取り入れやすい食材です。

毎日の食事への取り入れ方

  • 葉玉ねぎのぬた和え:葉玉ねぎをさっと茹でて味噌と酢で和えるだけ。カルシウムとビタミンCを損ないにくく、副菜として毎日でも食べやすい一品です。
  • 新玉ねぎと小アジの南蛮漬け:まあじ(骨付き・から揚げ)を薄切りの玉ねぎと一緒に甘酢に漬ける定番おかず。骨ごと食べることでカルシウムをしっかり摂れます。作り置きできるので忙しい日にも便利です。
  • 豚軟骨と葉玉ねぎのスープ:豚軟骨(ゆで)葉玉ねぎを煮込んだスープは、たんぱく質・カルシウム・鉄を一度に補えます。噛む力が弱くなってきた方にも食べやすいやわらかな仕上がりになります。
  • 水さらし玉ねぎの活用:辛みが気になる方は水さらし玉ねぎを薄切りにしてサラダへ。さらし時間は5分程度を目安にするとビタミンCの流出を最小限に抑えられます。

まとめ

みずみずしい新玉ねぎが出回る5月は、骨・筋力・免疫の底上げを食事から意識するのに絶好の季節です。葉玉ねぎ骨付きアジのから揚げなど、旬の食材を上手に組み合わせることで、無理なく必要な栄養素を日常の食卓に取り込むことができます。毎日少しずつ、おいしく食べ続けることが、長く元気でいるための一番の近道です。

※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。