5月21日は二十四節気のひとつ「小満(しょうまん)」。万物がすくすくと育ち、麦の穂が黄金色に色づく頃です。「少し満ちる」という名のとおり、大地の恵みがひとつひとつ実り始めるこの季節に、ぜひ注目してほしい食材があります。それが、日本の食卓に古くから根づいてきた「麦」です。
この時期に注目したい栄養素
小満の時期に実りを迎える麦類の最大の魅力は、なんといっても食物繊維の豊富さです。現代の日本人は食物繊維が不足しがちといわれており、主食の見直しは手軽な改善策のひとつ。食物繊維は腸内環境を整えるはたらきが期待される栄養素で、日々の食事にとり入れたい成分です。
また、麦には鉄やたんぱく質も含まれています。鉄は体内での酸素の運搬に欠かせないミネラルで、特に女性に不足しやすい栄養素として知られています。主食を麦に切り替えるだけで、こうした栄養素を日常的に補いやすくなります。
おすすめ食品とその数値データ
麦類の中でも特に栄養価が際立つのが、麦こがし(おおむぎ)です。大麦を煎って粉状にした伝統食品で、100gあたり食物繊維が15.5g、たんぱく質が12.5g、鉄が3.1mgと、麦類の中でもトップクラスの栄養密度を誇ります。エネルギーは100gあたり368kcalで、カルシウムも43mgと豊富。「はったい粉」とも呼ばれ、昔から夏の栄養補給に重宝されてきた食品です。
日常使いにおすすめなのが、七分つき押麦です。白米と混ぜて炊くだけで手軽に取り入れられ、100gあたり食物繊維10.3g、たんぱく質10.9g、鉄1.3mgを含みます(エネルギーは343kcal)。食感がもちもちとして食べやすく、麦ごはん初心者にも向いています。
同じく混ぜごはんに使いやすい米粒麦は、見た目が白米に近いため違和感なく取り入れられます。100gあたり食物繊維8.7g、たんぱく質7.0g(エネルギー333kcal)。食物繊維の量は七分つき押麦より控えめですが、それでも白米(食物繊維約0.5g/100g)と比べると圧倒的に豊富です。
和菓子として麦を楽しみたい方には麦らくがんが魅力的です。100gあたり食物繊維5.4g(推計値)と、お菓子としては珍しく食物繊維を含む一品です。エネルギーは396kcalで、小麦粉や砂糖が主原料の甘いお菓子ですが、麦の風味が生きた昔ながらの味わいです。
料理の材料としてよく使われる中力粉(小麦粉・2等)は、100gあたりエネルギー346kcal、たんぱく質9.7g、食物繊維2.1g。うどんや各種料理に幅広く活用されています。また、小麦たんぱく(粉末状)は100gあたりたんぱく質が72.0gと非常に高く、鉄も6.6mgと豊富で、植物性たんぱく質の補給源として注目されています(エネルギー398kcal)。
毎日の食事への取り入れ方
- 麦ごはんから始める:白米2合に対して七分つき押麦や米粒麦を大さじ2〜3混ぜて炊くだけ。違和感なく始められ、食物繊維量を手軽に増やせます。
- 麦こがしをプラスする:麦こがしを牛乳や豆乳に溶かしてドリンク感覚で飲んだり、ヨーグルトに混ぜてもおいしくいただけます。香ばしい風味が食欲をそそり、忙しい朝にもぴったりです。
- うどん・そうめんを活用する:中力粉を使ったうどんは、夏に向けて冷やして食べると一層美味しく、具材に野菜や卵を添えることで栄養バランスも整います。
- おやつに麦らくがんを:小満の時期の和のおやつとして麦らくがんを選ぶのも季節感があって粋な選択。お茶との相性も抜群です。
まとめ
小満の頃に実りを迎える麦は、食物繊維・鉄・たんぱく質など現代の食生活で不足しがちな栄養素を豊富に含む、頼もしい食材です。麦こがしの香ばしい風味、押麦のもちもちとした食感など、麦には多彩な顔があります。この季節、大地の恵みを感じながら、麦を食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。