この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。

掲載誌:AJIE

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

ハラール保証について、何が研究されてきたか

研究チームは、インドネシアとマレーシアの中小・零細企業に関わるハラール保証制度について、研究がどのように広がり、どのテーマに関心が集まってきたのかを調べました。ハラールとは、イスラム教の教えで認められることを指します。ハラール保証制度は、原材料や製造工程などを管理し、製品がその要件を満たすことを支える仕組みです。

論文は、認証費用や手続きの複雑さ、認証された原材料の確保、管理を担う人材の不足などを、中小・零細企業が直面する課題として挙げています。こうした背景のもと、著者らは企業を直接調査するのではなく、既存の学術文献を分析して研究の全体像を捉えようとしました。

101件の文献から見えた主要テーマ

研究チームは、2010~2023年を対象に、学術文献データベースScopusに収録された関連文献101件を集めました。文献の件数やキーワードのつながりから研究動向を捉える「計量書誌分析」を用い、同じ文献に一緒に現れるキーワードを手がかりに、テーマ同士の関係を整理しました。

論文によると、発表件数は年によって増減し、最も多かったのは2020年の22件でした。キーワードの分析では、「ハラール認証」「ハラール食品」「マレーシア」「ハラール」を中心とする四つのまとまりが見いだされました。認証に関するまとまりには食品生産や供給網、観光などが含まれ、マレーシアに関するまとまりには、ハラールへの理解や関心、ホテルなどの話題が結び付いていました。

特に多く研究されていたのは、ハラール食品とハラール認証でした。一方、食品の真正性や企業の国際展開、ハラールの供給網などは、比較的研究が少ないテーマとして報告されています。これらは、分析した文献の中での研究関心の分布を示す結果です。

認証を中心に広がる研究の姿

著者らは、マレーシアが研究の主要な焦点となっている背景として、同国の認証機関JAKIMによる国際的に認知された認証制度と、非ムスリムを含む社会へのハラール意識の浸透を挙げています。

この研究が示したのは、中小・零細企業のハラール保証をめぐる研究が、食品と認証を中心に蓄積されながら、供給網や企業活動にも広がっているという姿です。文献の分布を整理することで、よく調べられてきた領域と、まだ研究の蓄積が少ない領域の違いを見える形にしました。

著者:Nurul Aziza(Fakultas Ekonomi dan Bisnis, Universitas Maarif Hasyim Latif Sidoarjo, Indonesia)、Sri Utami Ady(Fakultas Ekonomi dan Bisnis, Universitas Dr. Soetomo, Surabaya, Indonesia)、Nur Sayidah(Fakultas Ekonomi dan Bisnis, Universitas Dr. Soetomo, Surabaya, Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Nurul Aziza, Sri Utami Ady, Nur Sayidah Analysis of SMEs Halal Assurance System Implementation in Indonesia and Malaysia. AJIE 2026-09-30. DOI: 10.20885/ajie.vol10.iss3.art2. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。