「地中海式食事」と聞くと、オリーブオイルや魚、野菜、豆類、ナッツなどを中心とした、健康的なイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。新鮮な食材や加工度の低い食品を多く取り入れるこの食事パターンは、世界的に注目されてきました。今回紹介する論文は、こうした地中海式食事への「遵守度(どれだけこの食事パターンに沿った食生活をしているか)」と、50歳以上の人における過体重との関連を調べた研究です。

研究でわかったこと

この研究は、「Conhecendo para Prevenir(予防のために知る):高齢者の多面的評価」という研究プロジェクトに参加した、50歳以上の男女122人を対象に行われた横断研究です。対象者は無作為な抽出ではなく、参加しやすい人を対象とする「利便性サンプリング」という方法で集められ、データはオンラインの質問票を通じて収集されました。

過体重の判定には、自己申告による体重と身長からBMI(体格指数)を算出し、Lipschitz基準(27kg/m²超)とWHO基準(25kg/m²以上)という2つの基準が用いられました。一方、地中海式食事への遵守度は、「Validated 14-Item Questionnaire of Mediterranean Diet Adherence」という、地中海食への適合度を測るための検証済みの14項目の質問票を使ってスコア化されました。

分析の結果、地中海式食事の遵守スコアが1点上がるごとに、過体重の有病率がLipschitz基準では5.9%、WHO基準では6.2%低下することが示されたと報告されています。つまり、この研究の対象者においては、地中海式食事パターンへの遵守度が高い人ほど、過体重である人の割合が低い傾向がみられたということです。

この研究の位置づけ・読むうえでの注意

この研究は横断研究であり、ある一時点での食事パターンと体格の関連を調べたものです。そのため、「地中海式食事を実践すれば過体重が改善する」といった因果関係を直接示すものではない点に注意が必要です。また、対象者は無作為抽出ではなく利便性サンプリングによって集められた122人という比較的小規模な集団であり、体重や身長も自己申告に基づくものです。論文の著者らも、これらの結果は確率的な標本抽出を用いた新たな研究によって確認される必要があるとし、その上で栄養介入への活用が期待されるとしています。あくまで一つの研究結果であり、結論が確定したものではない点を踏まえて読んでいただければと思います。

まとめ

今回紹介した研究では、50歳以上の122人を対象とした横断調査において、地中海式食事パターンへの遵守度が高いほど過体重の有病率が低い傾向があったことが示唆されています。今後、より大規模で無作為抽出によるサンプルを用いた研究によって、この関連がさらに検証されていくことが期待されます。

※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:50歳以上の人における地中海式食事パターンへの遵守スコアと過体重の関連:横断研究の結果(レビスタ・トピコス・2026年06月)