5月に入り、薄着の季節が本格的にやってきました。体を引き締めたい、もっとたんぱく質を意識した食事にしたいと考え始める方も多いこの時期、コンビニや食卓に並ぶ「生ハム」と「サラダチキン」のどちらが自分に合うのか、迷ったことはありませんか?見た目や食感がまったく異なる二つの食品ですが、数値で比較するとそれぞれに意外な個性があります。今回は公的機関のデータをもとに、たんぱく質・塩分・脂質の観点から徹底的に掘り下げてみましょう。
この時期に注目したい栄養素
5月は気温の上昇とともに活動量が増え、身体づくりや体重管理を意識しやすい季節です。なかでも注目したいのがたんぱく質。たんぱく質は筋肉・皮膚・免疫機能など、体のあらゆる組織を構成する重要な栄養素です。最新の日本人の食事摂取基準(厚生労働省)によれば、成人のたんぱく質の推奨量は男性で1日65g、女性で50g程度が目安とされています(詳細は厚生労働省の最新資料をご確認ください)。一方で、たんぱく質を多く含む加工食品には塩分(食塩相当量)が多く含まれることも少なくありません。生活習慣病予防の観点から塩分の摂りすぎには注意が必要で、この二つのバランスをどう取るかが、食品選びの重要なポイントになります。
おすすめ食品とその数値データ
今回は比較の参考として、成分表に収録されているハム類のデータもあわせて確認してみましょう。日本食品標準成分表(八訂)には複数のハム類が収録されており、それぞれの数値には興味深い差があります。
たとえば、骨付きハム(100gあたり)は、エネルギー208kcal、たんぱく質16.7g、脂質16.6g。豊かな風味の一方で脂質が多く、こってりとした満足感が得られます。一方、プレスハム(100gあたり)はエネルギー113kcal、たんぱく質15.4g、脂質4.5gと、骨付きハムに比べて脂質が約3分の1以下に抑えられています。たんぱく質はほぼ同水準ながらカロリーは大幅に低く、脂質を抑えたい方にはプレスハムが有利といえます。さらに魚肉ハム(100gあたり)はエネルギー155kcal、たんぱく質13.4g、脂質6.7gで、動物性・魚由来のたんぱく質を同時に摂れる点が特徴的です。
一方、本記事の主役である生ハムとサラダチキンについては、農林水産省「食品成分データベース」(文部科学省・日本食品標準成分表(八訂)準拠)の公開データによれば、生ハム(促成)は100gあたりたんぱく質25.7g、脂質16.6g、食塩相当量3.1g(出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂))、サラダチキン(鶏むね肉・蒸し)は100gあたりたんぱく質24.4g、脂質1.3g、食塩相当量1.2g程度(出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂))と報告されています。たんぱく質量は両者でほぼ拮抗していますが、脂質は生ハムがサラダチキンの約12倍、塩分は生ハムが約2.6倍という大きな差があります。
- 生ハム(促成)100g:たんぱく質25.7g/脂質16.6g/食塩相当量3.1g(出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂))
- サラダチキン(鶏むね・蒸し)100g:たんぱく質24.4g/脂質1.3g/食塩相当量1.2g程度(出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂))
- 骨付きハム100g:たんぱく質16.7g/脂質16.6g(日本食品標準成分表(八訂)実測値)
- プレスハム100g:たんぱく質15.4g/脂質4.5g(日本食品標準成分表(八訂)実測値)
- 魚肉ハム100g:たんぱく質13.4g/脂質6.7g(日本食品標準成分表(八訂)実測値)
毎日の食事への取り入れ方
数値を踏まえると、サラダチキンは「高たんぱく・低脂質・低塩分」の三拍子が揃った優等生。筋トレやダイエット中の方、塩分を気にしている方にとって使い勝手の良い食品です。5月の爽やかな季節には、千切りキャベツや新玉ねぎと組み合わせたサラダ仕立てにするのがおすすめ。さっぱりとした味わいで食欲が落ちがちな蒸し暑い日にもぴったりです。
一方、生ハムは風味と脂のコクが際立つ食品。塩分・脂質ともに高めですが、ほんの数枚(20〜30g程度)をアクセントとして使えば、料理全体の満足度を高めながら塩分・脂質の過剰摂取を抑えられます。メロンやいちご、アスパラガスなど5月の旬の食材と組み合わせると、少量でも豊かな食卓を楽しめます。プレスハムや魚肉ハムは、サンドイッチや炒め物など日常の料理に幅広く活用できる脇役的存在。特にプレスハムは脂質が低く、魚肉ハムは魚由来の栄養素も含む点で、バリエーションをつけたい時に重宝します。
まとめ
生ハムとサラダチキンは、たんぱく質量こそほぼ互角ですが、脂質・塩分では大きな開きがあります。「高たんぱく・低脂質・低塩分」を優先するならサラダチキン、「少量で風味や満足感を上乗せしたい」なら生ハム、という使い分けが賢明です。5月の食卓に旬の野菜と組み合わせながら、自分の目的に合った食品選びを楽しんでみてください。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。