この研究は、インドの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research)
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
加工食品や包装食品には、日持ちをよくしたり、味や色、食感を整えたりするために、さまざまな食品添加物が使われています。添加物は使用が認められる前に安全性の評価を受けますが、人工着色料や保存料、甘味料などが健康に悪いのではないかと考える消費者は今も少なくありません。また、食品の表示は大切な情報源である一方、原材料表示を読まない人や内容をよく理解していない人も多いとされています。
こうした背景から研究チームは、消費者が食品添加物についてどの程度知っていて、どのような態度を持っているかを調べました。あわせて、年齢、性別、職業、居住地域といった属性や、表示の読み方、SNSの影響などが、添加物の受け止め方や購買行動とどう関係しているかも検討しました。
どのように調べたか
調査は、ある一時点での状況を調べる横断調査として、Googleフォームを使ったオンラインアンケートで行われました。参加者はSNSや個人的なつながりを通じて募集され、最終的に294人が回答しました。回答者は18〜25歳が44.2%と最も多く、職業では学生が58.5%、居住地は都市部が58.5%を占めていました。
アンケートでは、添加物の役割や安全性、天然添加物と人工添加物の比較、メーカーへの信頼、「無添加」表示の受け止め方、原材料表示を読むかどうか、SNSの影響、無添加品に追加で支払う意思などに関する15の文を示しました。回答者は各文について「まったくそう思わない」から「とてもそう思う」までの5段階で答えています。
分析では、二つの質問への答え方がどの程度そろって動くかを示す相関分析と、年齢や性別などのグループによって答えの分布に違いがあるかを調べるカイ二乗検定が用いられました。
主な結果
多くの質問で「どちらともいえない」を選んだ人が最も多く、「そう思う」側の回答も目立ちました。研究チームはこの結果について、回答者の添加物への受け止め方は一様ではなく、安全性や使用について複雑な見方が混在していると報告しています。
相関分析では、「天然の添加物は人工の添加物より安全だ」と考える人ほど、添加物の有無が買い物の判断に影響すると答える傾向が見られました。また、SNSの影響を受けやすいと答えた人ほど、添加物を含む食品を有害だと考える傾向がありました。これらの関連は統計的に意味のあるものでしたが、強さは小さいと報告されています。
やや強い関連が見られたのは、「保存料不使用」と表示された食品を好む人ほど無添加の食品により多く支払ってもよいと答える傾向と、購入前に原材料表示を読む人ほど添加物の有無が買い物の判断に影響すると答える傾向でした。一方、「添加物は食品の製造に欠かせない」と考えることと、「メーカーは許可された添加物を過剰に加えていない」と信頼することの間には、意味のある関連は見られませんでした。
属性との関係では、年齢とSNS情報が購買に与える影響、年齢と天然添加物の安全性への見方、職業とメーカーへの信頼、性別と添加物の役割への見方、居住地域と原材料表示を読むかどうかの間に、それぞれ統計的に意味のある関連があると報告されています。
この研究が示すこと
著者らは、添加物の役割を理解していることが、そのまま添加物やメーカーへの信頼につながるわけではないと述べています。そのうえで、分かりやすい食品表示や、添加物の役割と安全性に関する情報提供が、消費者の理解を深めるうえで重要だと結論づけています。
なお、著者らは、参加者が便宜的に集められたため結果をより広い集団へそのまま当てはめられない可能性があること、一時点の調査であるため因果関係までは判断できないこと、購買行動は実際の行動ではなく本人の申告に基づくことを限界として挙げています。この研究は、添加物をめぐる消費者の考え方が、表示の読み方や情報の受け取り方、属性によって異なることを示した調査といえます。
著者:Madhura Bhedse(Department of Biotechnology, Pillai college of Arts, Commerce and Science (Empowered Autonomous), New Panvel, Navi Mumbai, India.)、Shravani Dhopeskar(Department of Biotechnology, Pillai college of Arts, Commerce and Science (Empowered Autonomous), New Panvel, Navi Mumbai, India.)、Manimala Kadamanda(Department of Biotechnology, Pillai college of Arts, Commerce and Science (Empowered Autonomous), New Panvel, Navi Mumbai, India.)、Suparna Deepak(Department of Biotechnology, Pillai college of Arts, Commerce and Science (Empowered Autonomous), New Panvel, Navi Mumbai, India.)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Madhura Bhedse, Shravani Dhopeskar, Manimala Kadamanda, Suparna Deepak. Assessment of Consumer Awareness and Attitudes Towards Food Additives: A Cross-Sectional Survey. Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) 2026-10-12. DOI: 10.5281/zenodo.23314058. 原著ライセンス:CC BY.