著者の所属・活動拠点の国は、オーストラリアです。
掲載誌:International Journal For Multidisciplinary Research
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
過体重や肥満は、生活習慣と深く関わる公衆衛生上の課題です。著者らは、これまで比較的影響が少ないと考えられてきた18〜25歳前後の若い女性にも肥満の問題が広がっていることに注目しました。背景として、食生活の乱れ、運動不足、画面を見る時間の長さ、学業のストレスなどを挙げています。
論文によると、生活習慣の改善を支える役割を担える看護師が、若い女性の肥満予防にどう関われるかは十分に研究されていません。そこで研究チームは、看護師が主導する複数の取り組みを組み合わせたプログラムを実施し、体格指数(BMI:体重を身長の2乗で割った体格の目安)、生活の質、食習慣の変化を調べました。
どのように調べたか
研究はインド・タミルナドゥ州マドゥライ地区の看護大学2校で行われました。看護学科に在籍する未婚の女子学生のうち、アジア人向け基準で過体重以上にあたるBMI23以上の60人が対象です。一方の大学の30人がプログラムを受ける群、もう一方の大学の30人は普段どおりに過ごす比較群となりました。参加者はくじ引きのような無作為な方法ではなく、研究者が条件に合う人を選んで割り当てています。このような設計は「準実験」と呼ばれます。
プログラムの期間は6週間です。中心となったのは、音楽に合わせて踊る有酸素運動のズンバで、資格を持つ看護師研究者の指導のもと、週3回、1回60分行われました。食事面では、健康的な食事についての60分の講義、一人ひとりの食生活に合わせた対面の食事相談、そして食事のヒントや励ましのメッセージをWhatsAppで朝夕1日2回送る取り組みを組み合わせました。
プログラムの前後で、両群の身長と体重を測ってBMIを算出しました。生活の質は世界保健機関(WHO)の標準的な質問票で測り、0〜100点で点数が高いほど良好とされます。食習慣は、揚げ物やジャンクフード、果物や野菜、清涼飲料、外食などの頻度と量を尋ねる質問票で評価し、0〜33点で点数が低いほど良い食習慣を示します。
主な結果
BMIについて、プログラムを受けた群では前後の比較で統計的に意味のある低下が報告されました。平均は27.54から26.35になりました。論文によると、介入後に最も重い肥満区分に残った人はおらず、20%が標準体重の区分に移りました。ただし、介入後のBMIをプログラム群と比較群で比べると、統計的に意味のある差は見られませんでした(平均26.35対27.30)。著者らは、BMIのより大きな変化には6週間より長い期間が必要かもしれないと述べています。
生活の質では、プログラム群の総合点が平均43.03から68.74に上がりました。一方、比較群の介入後の平均は42.86で、両群の差は統計的に意味のあるものでした。身体面、心理面、人間関係、生活環境の4つの側面すべてで、プログラム群の点数が比較群を上回ったと報告されています。介入前は両群とも7割以上が「低い」区分でしたが、プログラム群では介入後に「低い」区分の人がいなくなり、30%が「良好」区分になりました。
食習慣の点数は、プログラム群で平均19.07から10.53に下がりました。この尺度では点数が低いほど良好です。比較群の介入後の平均は19.00で、両群の差は統計的に意味のあるものでした。プログラム群では、介入後に73.33%が「良い食習慣」の区分に入ったと報告されています。
このほか、介入前の時点では、BMIと生活の質が学年と、食習慣が年齢と関連していたことも示されています。
この研究が示すこと
著者らは、看護師が主導し、運動と食事支援を組み合わせた6週間のプログラムが、若い女性の生活の質と食習慣の改善に有効で、BMIにも好ましい影響を示したと結論づけています。ただし、BMIでは比較群との間に明確な差は確認されていません。この研究は、ズンバ、栄養教育、日常的なメッセージによる後押しといった身近な手段を看護師が組み合わせ、若い女性の生活習慣づくりを支える一つの形を示しています。
原著論文の著者・所属:Buvaneshwari Sekar(M.Sc (Nursing) , Tutor , Department of Medical Surgical Nursing , Apollo College of Nursing , Madurai)、Dr. E. Devakirubai -(Dean & Head, Department of Medical Surgical Nursing , Sacred Nursing College , Madurai)、Dr. P. Andal -(Principal, Department of Medical Surgical Nursing , Easa College of Nursing , Madurai)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Buvaneshwari Sekar, Dr. E. Devakirubai -, Dr. P. Andal - Effectiveness of Nurse-led Multimodal Wellness Strategies on Body Mass Index, Quality of life, and Dietary pattern among Young Female Adults. International Journal For Multidisciplinary Research 2026-09-20. DOI: 10.36948/ijfmr.2026.v08i05.88048. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。