お腹まわりの脂肪、特に内臓脂肪が気になるという方は多いのではないでしょうか。近年、植物由来の成分が体脂肪に関わる可能性について、さまざまな研究が行われています。今回紹介するのは、「ツルチャ(バインティー)」という植物に多く含まれる成分「アンペロプシン」に注目した臨床研究です。ツルチャはこれまで動物実験などの基礎研究で脂質代謝や体脂肪への影響が示唆されてきましたが、ヒトを対象にした臨床的な根拠はまだ限られているとされています。この研究では、アンペロプシンを豊富に含む標準化ツルチャ抽出物「ResoVine™-P」を、健常な日本人参加者が12週間摂取した場合に、腹部の脂肪面積や肥満に関連する指標がどのように変化するかが調べられました。

研究でわかったこと

この研究は、ランダム化・二重盲検・プラセボ対照という、臨床試験の中でも信頼性を高める設計で実施されました。対象となったのは、BMI(体格指数)が25以上30未満の44名の参加者で、「ResoVine™」カプセル(アンペロプシンとして1日125mg相当)を摂取するグループと、見た目が同じプラセボ(偽薬)カプセルを摂取するグループにランダムに分けられました。腹部の脂肪面積はCT(コンピュータ断層撮影)を用いて評価されています。また、あらかじめ計画されたサブグループ解析として、摂取開始前の空腹時中性脂肪(TG)値が150mg/dL未満のグループ(SUB1)と、150mg/dL以上のグループ(SUB2)に分けた検討も行われました。

解析対象となった参加者全体(FAS)では、12週間後にResoVine™摂取群はプラセボ群と比べて、総腹部脂肪面積および内臓脂肪面積の減少が有意に大きかったと報告されています。さらにSUB1(中性脂肪150mg/dL未満)のグループでは、12週間後の総腹部脂肪面積・内臓脂肪面積・体重の減少がプラセボ群より有意に大きく、BMIについては摂取4週目以降から有意な低下が見られたとされています。加えて、このグループでは摂取8週目と12週目に総コレステロールおよびLDLコレステロール値の有意な改善も認められたとのことです。一方、中性脂肪値が150mg/dL以上だったSUB2のグループでは、両群の間に有意な差は見られなかったと報告されています。

この研究の位置づけ・読むうえでの注意

この研究は、著者らによれば、ResoVine™の摂取がヒトにおいて内臓脂肪面積を有意に減少させることを示した、プラセボ対照のランダム化臨床試験として位置づけられています。ただし、これは44名を対象とした一つの研究であり、対象者はBMI25〜30未満の日本人の健常者に限られています。また、より大きな効果が示唆されたのは中性脂肪値が150mg/dL未満だったサブグループにおいてであり、中性脂肪値が高いグループでは同様の差は確認されなかった点も踏まえる必要があります。腹部脂肪や体重、コレステロール値への影響について、要旨で報告されている内容を超えた解釈や、特定の症状の予防・改善を断定するものではない点に留意して読んでいただければと思います。

まとめ

今回の研究では、アンペロプシンを豊富に含むResoVine™を12週間摂取したところ、BMI25〜30未満の健常な日本人参加者において、総腹部脂肪面積、特に内臓脂肪面積の減少が報告されました。また、あらかじめ計画されたサブグループ解析では、摂取開始前の中性脂肪値が150mg/dL未満だった参加者において、体重・BMI・総コレステロール・LDLコレステロールについても改善が示唆されています。今後、対象者の範囲や条件を広げたさらなる研究によって、こうした知見がどこまで一般化できるのかが明らかになっていくことが期待されます。

※本記事は下記の原著論文を紹介するものです。参考文献:アンペロプシンを豊富に含むResoVine™はヒトの健常な日本人参加者において腹部脂肪面積を減少させる(ファンクショナル・フーズ・イン・ヘルス・アンド・ディジーズ・2026年07月)